アキレス腱周囲炎で正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第58回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
アキレス腱周囲炎は、ランニングなどのスポーツ活動を活発に行う男性に特に多く見られる疾患です。過度な運動負荷、不適切なシューズ、トレーニング環境の変化などが原因となり、アキレス腱とその周囲の組織に炎症が生じます。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。アキレス腱周囲炎は、ランニングなどスポーツ活動を活発に行う男性に多く発症する傾向があります。特に過度な運動負荷や不適切なシューズが原因となることが多いです。
- 2. アキレス腱周囲炎の治療では、まず保存療法が第一選択となります。手術は保存療法で改善が見られない場合や、腱の変性が著しい場合などに検討されます。正しくは:治療の第一選択は保存療法(安静、アイシング、薬物療法、理学療法など)です。選びやすい理由:症状が重い場合や慢性化した場合に手術が選択されることがあるため、治療法の一つとして誤って第一選択と捉えてしまう可能性があります。混同注意:アキレス腱断裂や、保存療法に抵抗性の重度のアキレス腱症(アキレス腱炎)など、より重篤な病態における治療法と混同しやすいです。
- 3. アキレス腱周囲炎は、スポーツ活動が活発な成人、特に若年成人から中年成人にかけて多く見られる疾患です。小児にはあまり多くありません。正しくは:成人、特にスポーツ活動を行う若年成人から中年成人に多く発生します。選びやすい理由:小児でもスポーツ活動による成長期のスポーツ障害は多いため、アキレス腱周囲炎も小児に多いと誤解してしまうかもしれません。混同注意:シーバー病(踵骨骨端炎)など、小児期に多い足部のスポーツ障害と混同しやすいです。
- 4. Thompsonテストは、アキレス腱断裂の有無を確認するための検査です。アキレス腱周囲炎ではアキレス腱の連続性は保たれているため、通常陽性とはなりません。正しくは:Thompsonテストはアキレス腱断裂で陽性となります。アキレス腱周囲炎では通常陰性です。選びやすい理由:アキレス腱に関連するテストであるため、アキレス腱周囲炎の検査としても有効だと誤解しやすいです。混同注意:アキレス腱周囲炎とアキレス腱断裂という異なる病態の鑑別を混同しやすいです。Thompsonテストはアキレス腱断裂に特異的な所見です。
- 5. アキレス腱への負担を軽減するために有効とされる足底板は、踵部を高くする(ヒールアップ)タイプです。つま先部分を高くすると、むしろアキレス腱が伸張され、負担が増加する可能性があります。正しくは:踵部を高くする(ヒールアップ)タイプの足底板が有効な場合があります。選びやすい理由:足底板が有効な疾患であることは知っていても、具体的な形状やその効果を正確に理解していない場合に選びやすい選択肢です。混同注意:踵部を高くする「ヒールアップ」と、つま先を高くする「フォアフットウェッジ」など、異なる目的で使用される足底板の形状と効果を混同しやすいです。
国試ポイント
アキレス腱周囲炎の基本的な疫学(好発年齢・性別)、病態、鑑別疾患、保存療法の原則について問う問題です。特に他のアキレス腱関連疾患(アキレス腱断裂、アキレス腱症など)との違いを理解しているかが重要となります。
混同注意
アキレス腱断裂、アキレス腱症(アキレス腱炎)、シーバー病(踵骨骨端炎)、足底筋膜炎など。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出た場合、アキレス腱周囲炎の症状や診断、保存療法の具体的な内容(理学療法、装具療法)について問われる可能性があります。特に、どのタイプの装具がなぜ有効か、具体的な運動療法の内容なども確認すべきです。
関連知識
アキレス腱周囲炎の病態生理、主な原因(オーバーユース、靴、トレーニング環境、足部アライメント)、症状(運動時痛、圧痛、腫脹)、保存療法の内容(安静、アイシング、NSAIDs、理学療法、装具療法)。