統合失調症患者の健康関連QOLの測定に用いることができるのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第58回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
SF-36(Medical Outcomes Study 36-Item Short-Form Health Survey)は、身体機能、身体的役割、体の痛み、全体的健康感、活力、社会生活機能、精神的役割、心の健康の8つの下位尺度から構成される、汎用的な健康関連QOL評価尺度です。疾病の種類にかかわらず、健常者から様々な疾患患者まで幅広く適用可能であり、統合失調症患者の健康関連QOLを多角的に評価するのに適しています。
選択肢ごとの解説
- 1. BPRSは主に精神疾患の症状の重症度を評価するための尺度であり、患者さんの健康関連QOLを直接測定する目的には適していません。正しくは:BPRSは精神症状の評価に特化しており、QOL評価には使用されません。選びやすい理由:精神科領域で広く用いられる尺度であるため、統合失調症患者の評価に役立つと誤解されやすいです。混同注意:QOL評価尺度と精神症状評価尺度を混同しやすいです。
- 2. NEO-PI-Rは、人の性格特性(ビッグファイブ理論に基づく)を測定するための尺度であり、健康関連QOLの評価には使用されません。正しくは:NEO-PI-Rは性格検査であり、健康関連QOLの評価とは目的が異なります。選びやすい理由:心理学分野で知られた尺度であるため、精神的な状態全般の評価に使えると誤解されがちです。混同注意:性格検査と健康関連QOL評価を混同しやすいです。
- 3. RDQは、主に腰痛患者の日常生活における身体機能障害の程度を評価する尺度であり、統合失調症患者の全般的な健康関連QOLを測定する目的には適していません。正しくは:RDQは特定の身体部位(腰痛)による身体機能障害を評価するものであり、統合失調症患者の健康関連QOLを包括的に評価する尺度ではありません。選びやすい理由:『Disability(障害)』という言葉が含まれるため、何らかの機能評価に使えると思われがちですが、その適用範囲は限定的です。混同注意:特定の身体機能障害の評価と、疾患に限定されない汎用的な健康関連QOL評価を混同しやすいです。
- 4. 正解。SF-36(Medical Outcomes Study 36-Item Short-Form Health Survey)は、身体的健康と精神的健康を含む8つの側面から構成される汎用性の高い健康関連QOL評価尺度です。様々な疾患や健常者を対象に広く用いられており、統合失調症患者の健康関連QOL測定にも適しています。
- 5. SFSは統合失調症患者の社会生活機能(例:仕事、家事、余暇活動、社会交流など)を評価するための尺度ですが、健康関連QOL全体を包括的に捉えるものではありません。QOLの一部側面(社会機能)に焦点を当てています。正しくは:SFSは社会機能の評価に特化しており、より広範な健康関連QOLを評価するものではありません。選びやすい理由:統合失調症患者に用いられる尺度であるため、健康関連QOL全体を測るものだと誤解しやすいです。社会機能はQOLの重要な要素ではありますが、QOL全体ではありません。混同注意:社会機能評価と、より包括的な健康関連QOL評価を混同しやすいです。
国試ポイント
精神科領域で使用される代表的な評価尺度の中から、特に「健康関連QOL」を測定する汎用的な尺度を正しく識別できるかどうかが問われています。各尺度の目的と対象疾患を正確に理解している必要があります。
混同注意
精神症状評価尺度(BPRS、PANSSなど)、特定の機能評価尺度(SFS、GAFなど)、性格検査(NEO-PI-Rなど)と、汎用健康関連QOL評価尺度(SF-36、EuroQol-5Dなど)との違い。また、特定の疾患に特化したQOL尺度と汎用QOL尺度との区別も紛らわしい場合があります。
次に同じ論点が出たら
次に同様の論点が出題された場合、『評価尺度の名称』と『その評価尺度で何を、誰に対して測定するのか』をセットで確認することが重要です。特に、『症状』『機能』『QOL(生活の質)』『性格』など、評価の目的がどこにあるのかを明確に区別できるようにしましょう。また、汎用尺度なのか、特定の疾患に特化した尺度なのかも確認するポイントです。
関連知識
QOL評価尺度には、他にEuroQol-5D (EQ-5D)、WHOQOL-26などがあります。精神症状評価尺度にはPANSS (陽性・陰性症状評価尺度)、HAM-D (ハミルトンうつ病評価尺度)などがあります。機能評価尺度にはGAF (全体的機能評価尺度)、CGI (臨床全般印象尺度)などがあります。