振戦せん妄で正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第59回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
振戦せん妄はアルコール離脱症状の最重症型であり、興奮、幻覚、自律神経系の過活動を伴うため、ベンゾジアゼピン系薬剤は中枢神経系の抑制作用によりこれらの症状を緩和し、てんかん発作のリスクを軽減するため治療の第一選択薬として用いられます。
選択肢ごとの解説
- 1. 振戦せん妄は、てんかん発作や高体温、不整脈などを引き起こし、死亡率が5〜15%と生命に危険を及ぼすリスクが高い状態です。正しくは:生命に危険を及ぼすリスクは高い状態です。選びやすい理由:せん妄症状が一時的なものと捉えられがちであるため。混同注意:一時的な軽度のアルコール離脱症状や、他の可逆性のせん妄状態。
- 2. 羽ばたき振戦(asterixis)は肝性脳症で特徴的に見られる症状であり、振戦せん妄では主に全身性の粗大な振戦が見られます。正しくは:全身性の粗大な振戦が特徴的に見られます。選びやすい理由:「振戦」という言葉から、様々な振戦を混同しやすい。混同注意:肝性脳症の症状、またはパーキンソン病の振戦など。
- 3. 正解。振戦せん妄の治療には、中枢神経の過興奮を抑えるベンゾジアゼピン系薬剤が第一選択薬として用いられます。具体的にはジアゼパムやロラゼパムなどが使用されます。選びやすい理由:アルコール離脱症状に対する一般的な治療薬であるため、正しい知識として選択しやすい。混同注意:特になし。これは正しい記述である。
- 4. 振戦せん妄は、飲酒中断後48〜96時間(2〜4日)で発症することが多いです。24時間以内は比較的軽度な離脱症状が主です。正しくは:飲酒を中断してから48〜96時間(2〜4日)で発症することが多いです。選びやすい理由:アルコール離脱症状が飲酒中断後比較的早く発症することは正しいが、振戦せん妄の発症時期を正確に把握していない場合に選択しやすい。混同注意:アルコール離脱症状全体の早期発症(例:手振戦や発汗は数時間〜24時間以内)。
- 5. 振戦せん妄は、血液中のアルコール濃度が低下し、アルコールの中枢抑制作用が消失することで中枢神経系が過興奮状態に陥り発症します。正しくは:血液中のアルコール濃度が低下するとともに発生します。選びやすい理由:アルコール関連の症状であるため、アルコール濃度の上昇と関連付けて考えてしまいやすい。混同注意:急性アルコール中毒の症状や、アルコール摂取に伴う酩酊状態。
国試ポイント
振戦せん妄の臨床像、病態生理、治療法を理解し、特にベンゾジアゼピン系薬剤が第一選択薬であることを覚える。
混同注意
アルコール離脱症状の他の病態(離脱症候群、アルコール幻覚症)との区別や、他のせん妄状態との鑑別。
次に同じ論点が出たら
アルコール離脱に伴う中枢神経系の過興奮状態を呈する症例では、ベンゾジアゼピン系薬剤による鎮静・抗けいれん作用が適切であるかを判断する。
関連知識
アルコール離脱症候群の各病期とその症状、Wernicke脳症の症状と治療(ビタミンB1)、Korsakoff症候群の症状、アルコール依存症の治療。