適応障害について誤っているのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第57回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
適応障害の治療は、ストレス因子への対応や心理社会的サポート、精神療法(カウンセリング、認知行動療法など)が中心となります。薬物療法は、抑うつや不安などの症状が強い場合に補助的に用いられることがありますが、治療の第一選択や中心ではありません。この点が、薬物療法が中心となることが多い他の精神疾患(例:うつ病)との大きな違いです。
選択肢ごとの解説
- 1. 適応障害は、明確なストレス要因に対する反応として情緒面や行動面に変化が生じ、その結果、学業、職業、社会活動、人間関係などの日常生活機能に明らかな障害を引き起こすことが診断基準の一つです。
- 2. 認知行動療法は、適応障害の原因となるストレス源に対する認知(捉え方)や行動パターンを見直し、より適応的な対処方法を身につけることで、症状の改善を図る有効な心理療法です。問題解決技能訓練やリラクゼーション法なども含まれます。
- 3. 正解。適応障害の治療の主なアプローチは、ストレス要因の特定と対処、心理社会的サポート、そして精神療法(カウンセリングや認知行動療法など)です。薬物療法は、抑うつや不安などの特定の症状が強い場合に、それらを軽減する目的で補助的に用いられることがありますが、治療の中心となることはありません。正しくは:治療の中心は精神療法や環境調整であり、薬物療法は補助的に用いられます。選びやすい理由:うつ病や特定の不安障害など、他の精神疾患では薬物療法が治療の中心となるケースがあるため、その知識と混同しやすいかもしれません。混同注意:主要うつ病性障害やパニック障害など、他の精神疾患の治療方針と混同しやすいです。適応障害はストレスへの反応であり、根本的な問題解決には心理社会的な介入が重要となります。
- 4. 適応障害の症状は多様ですが、抑うつ気分、不安、行動の乱れ、情緒の不安定さなどがよく見られます。DSM-5でも『抑うつ気分を伴う適応障害』などの下位分類が設けられています。
- 5. 適応障害はストレスに対する不適応な反応であるため、ストレスの原因への適切な対処や、ストレスに効果的に向き合うための適応的なコーピングスキル(問題焦点型コーピングや情動焦点型コーピングなど)を習得することは、治療と再発予防において非常に重要です。
国試ポイント
適応障害は、ストレス関連障害として、その診断基準、症状の多様性、そして治療の基本方針(特に精神療法と薬物療法の位置づけ)が頻繁に問われます。他の精神疾患、特にうつ病や不安障害との鑑別点や、治療アプローチの違いを正確に理解しているかが重要です。
混同注意
適応障害とうつ病、不安障害の混同に注意が必要です。症状の一部が類似していても、適応障害は明確なストレス因子に対する反応であり、その治療の中心はストレスへの対処と精神療法にあります。一方、うつ病は薬物療法が中心となることが多いなど、治療アプローチが異なります。
次に同じ論点が出たら
次に適応障害に関する問題が出題された場合、まず『ストレス因子に対する反応であること』と『症状の持続期間』を確認し、その上で『治療の第一選択が精神療法や環境調整であること』を重点的に判断するでしょう。特に他の精神疾患との鑑別点を問う問題に注意が必要です。
関連知識
DSM-5におけるストレス関連障害の分類、ストレスと健康、ストレス・コーピングの種類とその効果、認知行動療法の基本的な考え方、精神科薬物(特に抗うつ薬、抗不安薬)の作用機序と適応