関節可動域測定法(日本整形外科学会、日本リハビリテーション医学会基準による)における右下肢関節の測定肢位で正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第55回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
選択肢3は、膝関節の屈曲を測定する際の正しい肢位を示しています。股関節を90度屈曲させ、膝関節も深く屈曲させることで、下腿が地面から垂直に立ち上がり、大腿と下腿のなす角で膝関節の屈曲角度を正確に測定できます。
選択肢ごとの解説
- 1. 股関節の屈曲測定の開始肢位が不適切であり、かつ測定している角度も一般的に股関節屈曲で用いられる角度ではない。大腿が床から離れすぎている。正しくは:股関節屈曲の基本肢位は、仰臥位で骨盤を固定し、膝を伸展位のまま大腿を挙上する。選びやすい理由:股関節を曲げているように見えるため、股関節屈曲と考えてしまうかもしれない。混同注意:股関節の屈曲測定の開始肢位。図は股関節を過度に屈曲させており、膝も屈曲しているため、正しい測定肢位とは言えない。股関節屈曲の最終域を示す図と誤解する可能性がある。
- 2. 股関節伸展の測定肢位が不適切である。この図では、股関節が過度に伸展しており、また体幹が過伸展しているため、代償動作を生じやすい。正しくは:股関節伸展の基本肢位は、腹臥位で骨盤を固定し、膝を伸展位のまま大腿を挙上する。選びやすい理由:股関節が後方に伸びているため、伸展動作であると判断しやすい。混同注意:股関節の伸展測定の開始肢位。図は股関節の過伸展を示しており、腰椎の代償を含んだ動きである可能性が高い。
- 3. 正解。膝関節屈曲の正しい測定肢位である。仰臥位で股関節を約90度屈曲させ、膝を最大まで屈曲させた状態で、下腿を床に垂直に立てた肢位は、膝関節の屈曲角度を正確に測定できる基準肢位である。選びやすい理由:特になし。正しい肢位と判断しやすい。
- 4. 足関節背屈の測定肢位として不適切である。足関節背屈の基準肢位は膝関節伸展位または屈曲位で、足関節を中間位に保ち、下腿軸と第2趾中足骨のなす角を測定する。この図では下腿が不適切な角度で、足部も中間位ではない。正しくは:足関節背屈の基本肢位は、背臥位または座位で膝関節を伸展または屈曲させ、足関節を中間位にする。選びやすい理由:足関節が背屈しているように見えるため、正しいと誤解する可能性がある。混同注意:足関節の背屈測定の開始肢位。図は足関節を最大背屈位にしているが、測定の基準肢位としては不正確である。
- 5. 足部内がえしの測定肢位としては不適切である。内がえしは足関節の運動ではなく、距骨下関節や横足根関節の運動であり、測定肢位も異なる。また、図の軸と測定方向も適切ではない。正しくは:足部内がえしの基本肢位は、座位または仰臥位で足関節中間位、足部を重力に任せて自然な肢位にし、踵骨と下腿軸のなす角を測定する。選びやすい理由:足部が内側を向いているため、内がえしだと考えてしまう可能性がある。混同注意:足関節の内反や外反、または回内や回外といった足部の複雑な運動の測定肢位。図の測定軸が足関節の運動とは異なる点で混同しやすい。
国試ポイント
関節可動域測定の基本肢位と測定方法を理解し、図から正確な肢位を判断できるかどうかが問われる。
混同注意
股関節、膝関節、足関節の各測定肢位が混同しやすい。特に、同じ大腿部の関節である股関節と膝関節の測定肢位の区別が重要。
次に同じ論点が出たら
次も関節可動域測定の図が示された場合、まず測定対象の関節と動作を確認し、次に基準となる肢位、そして角度計の軸と腕の位置が適切であるかを判断する。
関連知識
日本整形外科学会、日本リハビリテーション医学会基準の関節可動域測定法は、各関節の基本肢位、測定範囲、測定器のあて方、注意点を網羅しており、この基準を基に臨床での評価や国家試験での出題がなされる。