脊髄小脳変性症患者の四つ這いでのバランス練習で最も難易度が高いのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第58回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
同側の上下肢を挙上する運動は、残りの対側上下肢の2点のみで体重を支えることになります。この状態では、支持基底面が極端に狭くなり、重心が支持基底面から大きく逸脱しやすいため、体幹の強力な側方安定性と高度なバランス能力が必須です。特に脊髄小脳変性症患者のような運動失調を伴う場合、この運動は非常に不安定で、提示された選択肢の中で最も高い難易度を示します。
選択肢ごとの解説
- 1. 片側の足を持ち上げると支持基底面は3点に減少しますが、残った対側の足と両手で比較的広い支持面を確保でき、重心の偏りも小さいため、他の選択肢と比べて最も難しい運動ではありません。正しくは:同側上下肢挙上の方が難易度は高いです。選びやすい理由:支持基底面が減少するため、ある程度の難易度があると錯覚しやすいですが、最も難しいわけではありません。混同注意:一側上肢挙上と難易度が同程度、あるいはわずかに難しい程度で、最も難しいわけではありません。
- 2. 片側の腕を持ち上げると支持基底面は3点に減少しますが、残った対側の腕と両足で比較的広い支持面を確保でき、重心の偏りも小さいため、他の選択肢と比べて最も難しい運動ではありません。正しくは:同側上下肢挙上の方が難易度は高いです。選びやすい理由:支持基底面が減少するため、ある程度の難易度があると錯覚しやすいですが、最も難しいわけではありません。混同注意:一側下肢挙上と難易度が同程度、あるいはわずかに易しい程度で、最も難しいわけではありません。
- 3. 対角線上の上下肢を挙上すると、支持基底面は残った同側の上下肢の2点に減少します。この運動は非常に高難度で、体幹の回旋安定性も要求されますが、重心が支持基底面の範囲内にとどまりやすく、同側上下肢挙上ほどには重心の偏りが大きくないため、最も難しいとは言えません。正しくは:最も難易度が高いのは同側上下肢挙上です。選びやすい理由:支持基底面が2点に減少し、体幹の安定性や抗重力伸展活動が必要となるため、非常に難しい運動であり、これが最も難しいと誤解しやすいです。混同注意:同側上下肢挙上と混同しやすいですが、重心の安定性の確保という点で対側挙上の方がまだバランスを取りやすい傾向にあります。
- 4. 正解。同側の上下肢を挙上する運動では、残された対側の上下肢の2点のみで体重を支えることになります。この状態では、支持基底面が極端に狭くなり、重心が支持基底面から大きく逸脱しやすいため、体幹の強力な側方安定性と高度なバランス能力が不可欠です。脊髄小脳変性症患者のように運動失調を伴う場合、この運動は非常に不安定で、提示された選択肢の中で最も高い難易度を示します。
- 5. 四つ這い位保持は、四肢すべてで身体を支持するため、支持基底面が最も広く、最も安定した姿勢です。したがって、挙げられた選択肢の中で最も難易度が低い運動となります。正しくは:より難易度が高いのは同側上下肢挙上です。選びやすい理由:これは最も基本的な姿勢であり、難易度が最も低いことは明らかであるため、引っかかりにくい選択肢です。混同注意:他の選択肢が支持基底面を減らす運動であるため、難易度比較の基準となる最も簡単な姿勢として区別しやすいでしょう。
国試ポイント
この問題は、身体運動における支持基底面と重心の関係、およびバランス能力の段階的な難易度を理解しているかを問うものです。特に、神経疾患患者の運動療法において、リスク管理と効果的な介入のために運動の難易度を正確に評価する能力が求められます。また、四つ這い姿勢からの重心移動や、体幹の安定性に関する知識も重要です。
混同注意
バランス練習の難易度を判断する際、支持基底面の広さ、重心の位置、体幹への負荷、運動方向などを総合的に考慮する必要があります。「対側上下肢挙上」も非常に難しいですが、同側上下肢挙上が重心の側方移動と支持基底面の極端な狭さからくる不安定性において、より高難度であることを理解していないと混同しやすいです。
次に同じ論点が出たら
次に同様の論点が出た場合、まず「支持基底面が最も狭くなる状況」や「重心が最も不安定になりやすい状況」を特定します。加えて、体幹の安定性や特定の筋活動(例:回旋筋、側屈筋、抗重力筋)がどれだけ要求されるかを考慮し、その疾患の特性(例:運動失調、筋力低下)と照らし合わせて難易度を評価します。
関連知識
運動療法の原則(漸進性)、神経発達的治療アプローチ(NDT)におけるバランス練習の段階付け、支持基底面と重心の関係、脊髄小脳変性症の病態生理と理学療法介入のポイント。