脊髄損傷患者の車椅子上での除圧動作を図に示す。損傷レベルの上位から下位への順序で正しいのはどれか。

選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第52回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
脊髄損傷患者の車椅子上での除圧動作は、損傷レベルによって可能となる動作が異なります。Bは頸髄損傷(C5-6)で可能となる肘掛けに前腕を置いて体幹を前方に傾けることで除圧する動作。Dは頸髄損傷(C6-7)で可能となる、両腕を前に出し、車椅子のアームレストから肘をずらし、体幹を大きく前傾させて除圧する動作。Cは胸髄損傷(Th1-T10)で可能となる、フットレストに足を乗せて両腕でプッシュアップし、殿部を浮かせ除圧する動作。Aは腰髄損傷(L2-S5)で可能となる、足底を床につけ、片側ずつ殿部を浮かせたり、体幹を大きく前傾させることで除圧する動作です。したがって、損傷レベルの上位(重度)から下位(軽度)への正しい順序はB → D → C → Aとなります。
選択肢ごとの解説
- 1. この順序は、損傷レベルの高い方から低い方への正しい除圧動作の並びではありません。特に、CやDはより高い損傷レベルで可能な動作であり、Bはそれより低い損傷レベルで可能となる動作です。Aは最も損傷レベルが低い場合に行える動作です。正しくは:正しい順序はB → D → C → Aです。選びやすい理由:選択肢の並びがランダムに見えるため、どの組み合わせも正しく見えてしまう可能性があります。混同注意:各除圧動作がどの脊髄損傷レベルに対応するのかが不明確な場合、任意の順序を選んでしまうことがあります。
- 2. 正解。脊髄損傷患者の車椅子除圧動作は、損傷レベルに応じて行える動作が異なります。Bは頸髄損傷(C5-6レベル)で可能とされる両腕を肘掛けに乗せて骨盤を浮かせる動作。Dは頸髄損傷(C6-7レベル)で可能とされる、両腕を広げて肘掛けからずらし、上体を前傾させる動作。Cは胸髄損傷(Th1-T10レベル)で可能とされる、車椅子のフットレストを利用して殿部を持ち上げるプッシュアップ動作。Aは腰髄損傷(L2-S5レベル)で可能とされる、体幹を前傾させて一方の殿部を浮かせたり、両足を床につけて殿部を浮かせる動作です。この順序は、損傷レベルの上位(より重度)から下位(より軽度)への除圧動作の難易度と対応しており、正しい並びです。
- 3. この順序は、損傷レベルの高い方から低い方への正しい除圧動作の並びではありません。CはBよりも低い損傷レベルで可能な動作であり、Aは最も低い損傷レベルで可能な動作です。DはCより高い損傷レベルで可能な動作です。正しくは:正しい順序はB → D → C → Aです。選びやすい理由:除圧動作の具体的な名称や方法と損傷レベルの関連性が不明瞭な場合、誤った選択肢を選んでしまう可能性があります。混同注意:プッシュアップ動作(C)と、より頸髄レベルの動作(B, D)の順序を混同しやすいです。
- 4. この順序は、損傷レベルの高い方から低い方への正しい除圧動作の並びではありません。DはBより低い損傷レベルで可能な動作であり、Aは最も低い損傷レベルで可能な動作です。CはAより高い損傷レベルで可能な動作です。正しくは:正しい順序はB → D → C → Aです。選びやすい理由:一部の動作は正しく認識できていても、全体としての順序が混乱しやすいため、誤った選択肢を選んでしまう可能性があります。混同注意:頸髄損傷レベルにおける異なる除圧動作(BとD)のどちらがより上位の損傷で可能かを混同しやすいです。
- 5. この順序は、損傷レベルの高い方から低い方への正しい除圧動作の並びではありません。DはBよりも低い損傷レベルで可能な動作であり、CはDよりも低い損傷レベルで可能な動作です。Aは最も低い損傷レベルで可能な動作です。正しくは:正しい順序はB → D → C → Aです。選びやすい理由:特定の動作が可能な損傷レベルについて、部分的に正しい知識があっても、全体を正しく並べることが難しい場合があります。混同注意:各動作の難易度と損傷レベルの関連性を正確に把握していないと、誤った順序を選びやすいです。
国試ポイント
この問題は、脊髄損傷の損傷レベルとそれに対応する残存機能(特に車椅子上での除圧動作)に関する知識を問うものです。各損傷レベルで可能な代表的な動作を、その特徴とともに理解しておく必要があります。画像から動作を判別し、損傷レベルと結びつける応用力が求められます。
混同注意
各除圧動作の名称とその具体的な内容、および対応する脊髄損傷レベルの区別が曖昧な場合、選択肢を混同しやすいです。特に、頸髄損傷内の異なるレベル(C5-6 vs C6-7)での動作の違いや、胸髄損傷でのプッシュアップと腰髄損傷での動作の違いは間違いやすいポイントです。
次に同じ論点が出たら
今後同様の問題が出た場合、各動作がどの筋肉の働きによって可能になるかを理解しているかを確認しましょう。例えば、Bの動作では上腕二頭筋や三角筋の機能、Dの動作ではさらに手関節伸筋などの機能が関与します。また、具体的な損傷レベルと可能な動作を正確に結びつける暗記だけでなく、なぜそのレベルでその動作が可能なのかを解剖学・運動学的に理解できているかが問われます。
関連知識
脊髄損傷におけるASIA分類、各損傷レベルでの残存筋機能、日常生活動作(ADL)への影響、車椅子駆動能力、呼吸機能管理、膀胱直腸管理など。また、褥瘡予防の重要性とそのための除圧方法全般について。