うつ病と比較した場合の双極性障害の特徴はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第59回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
双極性障害は、単極性うつ病と比較して、より若年で発症する傾向があります。特に双極I型障害は思春期後半から青年期にかけての発症が一般的です。その他の選択肢は、双極性障害の特徴としては誤りです。生涯有病率は単極性うつ病より低く、遺伝的素因の関与は大きく、自殺リスクは高く、男女差は小さい(ほぼ1:1)とされています。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。双極性障害は、単極性うつ病と比較して、思春期後期から青年期にかけての若年で発症する傾向が見られます。特に双極I型障害は若年発症が多いです。
- 2. 双極性障害の生涯有病率(約1〜2%)は、単極性うつ病の生涯有病率(約10〜15%)よりも低いとされています。正しくは:「生涯有病率が低い。」選びやすい理由:精神疾患全般の有病率が高いという漠然とした情報と混同して、双極性障害も高いと思い込む可能性があります。混同注意:単極性うつ病の有病率や、他のより一般的な精神疾患の有病率と混同する可能性があります。
- 3. 双極性障害は、単極性うつ病と比較して、遺伝的素因の関与がより大きいことが知られています。家族歴は重要なリスク因子です。正しくは:「遺伝的素因の関与が大きい。」選びやすい理由:環境要因の重要性を強調しすぎて、遺伝的要因を軽視する傾向がある場合、少ないと判断してしまうかもしれないためです。混同注意:遺伝と環境の相互作用や、単極性うつ病における遺伝的要素の程度と混同する可能性があります。
- 4. 双極性障害の患者さんは、単極性うつ病と比較しても自殺のリスクが非常に高いとされています。特にうつ状態や混合状態のときにリスクが高まります。正しくは:「自殺のリスクが高い。」選びやすい理由:躁状態では気分が高揚しているため、自殺を考えるリスクが低いと誤解しやすいためです。混同注意:躁状態の行動特性と自殺のリスクを直接結びつけず、低いと判断してしまうことと混同する可能性があります。
- 5. 双極性障害の生涯有病率には男女差がほとんどないとされており、ほぼ1:1です。一方、単極性うつ病では女性が男性の約2倍と男女差が大きいため、双極性障害の方が男女差は小さいと言えます。正しくは:「生涯有病率の男女差が小さい。」選びやすい理由:一般的な精神疾患、特に単極性うつ病で男女差が見られることから、双極性障害も男女差が大きいと思い込んでしまう可能性があります。混同注意:単極性うつ病の有病率の男女差と双極性障害の有病率の男女差を混同する可能性があります。
国試ポイント
精神疾患、特に気分障害における主要な疾患であるうつ病と双極性障害の鑑別点、疫学、遺伝的要因、リスクに関する知識が問われています。それぞれの疾患の特徴を正確に理解し、比較して覚えることが重要です。
混同注意
単極性うつ病と双極性障害は、うつ病エピソードの症状が共通するため、診断が混同されやすいです。特に軽躁病エピソードの見落としは双極性障害の診断遅延につながることがあります。また、症状の重なり、治療法、予後など、多くの側面で鑑別が必要です。
次に同じ論点が出たら
次に同様の論点が出題された場合、双極性障害の各タイプ(I型、II型)の特徴や、うつ病エピソードと躁病/軽躁病エピソードの具体的な鑑別点、治療薬の選択における違い(例:双極性障害のうつ状態では抗うつ薬単独使用の注意点)などが問われる可能性があります。また、双極性障害の経過中に見られる認知機能障害や、身体合併症についても知識を深めておく必要があります。
関連知識
気分障害(単極性うつ病、双極I型障害、双極II型障害、気分循環症)の診断基準(DSM-5など)、気分安定薬と抗うつ薬の使い分け、自殺リスク評価と介入、家族歴の聴取の重要性、精神疾患の疫学(有病率、発症年齢、男女差、遺伝率)。