Guillain-Barré症候群について正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第56回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
ギラン・バレー症候群の病型には、脱髄型(AIDP)と軸索型(AMAN, AMSAN)があり、その発生頻度には地理的な差が見られます。特に日本やアジア諸国では、カンピロバクター感染後の軸索型(AMAN)が多いことが疫学調査で示されています。他の選択肢は、深部腱反射の低下・消失、脳神経症状の頻度、先行感染後の発症期間、神経症状のピーク到達期間について、それぞれ疾患の一般的な特徴とは異なる記述であるため、誤りです。
選択肢ごとの解説
- 1. ギラン・バレー症候群は末梢神経の障害により、深部腱反射は低下または消失します。正しくは:四肢の深部腱反射は低下または消失する。選びやすい理由:中枢神経系の疾患では反射亢進が見られることがあり、反射に関する知識が曖昧だと誤って選択してしまう可能性があります。混同注意:中枢神経系疾患における錐体路障害による反射亢進と混同しやすい。
- 2. 正解。ギラン・バレー症候群の病型分布には地域差があり、日本では軸索型(AMAN)の割合が高いことが知られています。選びやすい理由:病型分布に関する知識は細かい部分であり、知らないと選択しにくい一方で、他の選択肢が明確に誤りだと判断できる場合に残る可能性があります。混同注意:欧米と日本での病型の違いは、細かい知識のため混同しやすい。脱髄型(AIDP)との相対的な頻度を問われている。
- 3. 顔面神経麻痺などの脳神経症状は約半数の症例でみられます。5%以下ではありません。
- 4. 先行感染から神経症状が出現するまでの期間は、通常1~3週間程度です。24時間以内は非常に稀です。正しくは:先行感染から神経症状が出現するまでの期間は、通常1~3週間程度である。選びやすい理由:感染症の急性期に神経症状も急速に進行するという誤解から、早期発症を想像しやすいかもしれません。混同注意:先行感染と神経症状の発症の関連性は正しくても、その時間軸を誤解しやすい。
- 5. 神経症状は約90%の症例で発症から4週間以内にピークに達します。1週間以内ではありません。
国試ポイント
ギラン・バレー症候群の疫学的特徴、臨床症状(深部腱反射、脳神経症状)、発症機序と経過に関する基本的な知識が問われています。特に、病型分布の地域差という細かい知識も含まれています。
混同注意
この問題では、ギラン・バレー症候群の臨床的特徴(反射、脳神経症状、時間経過)と疫学的特徴(病型分布)の両方に関する知識が問われています。それぞれの詳細な数字や期間を正確に覚えていないと、誤った選択肢を選びやすいです。特に、中枢神経疾患の症状との混同、あるいは疾患の進行が早いという一般的なイメージから誤った期間を選んでしまうリスクがあります。
次に同じ論点が出たら
次回同じ論点が出た場合、ギラン・バレー症候群の代表的な病型(AIDP, AMAN, AMSAN)とその特徴(脱髄か軸索障害か、発症様式など)、そして各病型が好発する地域について確認します。また、症状の経過に関する具体的な期間(発症からピークまで、先行感染からの期間など)や、合併症(呼吸筋麻痺、自律神経障害)についても問われる可能性が高いです。
関連知識
ギラン・バレー症候群は、急性発症の多発神経炎で、自己免疫機序が関与します。臨床的には、上行性の運動麻痺、腱反射消失、時に感覚障害を伴います。診断には髄液検査(蛋白細胞解離)や神経伝導検査が重要です。治療には免疫グロブリン療法や血漿交換療法が用いられます。先行感染としてカンピロバクター腸炎、サイトメガロウイルス感染などが知られています。フィッシャー症候群は、外眼筋麻痺、運動失調、腱反射消失を特徴とするギラン・バレー症候群の亜型です。