骨転移を最も生じやすいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第57回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
前立腺癌は、数ある悪性腫瘍の中でも特に骨への転移を起こしやすい癌種として知られています。骨転移の頻度が非常に高く、特に脊椎、骨盤、大腿骨などの体軸骨格によく見られます。これらの転移は、骨芽細胞性病変として特徴づけられることが多いです。対照的に、胃癌、肝臓癌、大腸癌、膀胱癌も骨転移を起こし得ますが、その頻度は前立腺癌に比べて有意に低いです。
選択肢ごとの解説
- 1. 胃癌も骨転移を起こす可能性はありますが、一般的には肝臓や肺への転移が多い傾向にあり、骨転移の頻度は前立腺癌ほど高くありません。正しくは:胃癌の骨転移は他の臓器転移に比べて頻度が低い。選びやすい理由:胃癌は日本人に多い癌であり、一般的な癌として知識が豊富であるため、選択肢として目につきやすい可能性があります。混同注意:胃癌の主な転移先が肝臓や腹膜、リンパ節であることと混同しやすいかもしれません。
- 2. 肝臓癌は肝臓自体に発生する癌であり、主に肺やリンパ節、副腎への転移が見られますが、骨転移の頻度は前立腺癌と比較して低いです。正しくは:肝臓癌の転移は肺やリンパ節に多く、骨転移は比較的少ない。選びやすい理由:肝臓は血管に富む臓器であり、血行性転移を連想させやすいことから、骨転移も多いのではないかと誤解する可能性があります。混同注意:肝臓が他の癌種の主要な転移先であること(例:大腸癌の肝転移)と混同する可能性があります。
- 3. 正解。前立腺癌は、骨転移を非常に高頻度で引き起こすことで知られています。特に脊椎、骨盤、大腿骨などの体軸骨格に多く転移し、骨芽細胞性(骨形成性)の病変を形成することが特徴です。
- 4. 大腸癌は主に肝臓や肺への転移が多く、骨転移も起こり得ますが、その頻度は前立腺癌に比べて著しく低いとされています。正しくは:大腸癌の主要な転移先は肝臓と肺であり、骨転移は比較的少ない。選びやすい理由:大腸癌も一般的な癌であり、その転移様式について広範な知識が求められるため、漠然と骨転移も多いと考えてしまう可能性があります。混同注意:大腸癌が肝転移の代表例であることと、骨転移を混同する可能性があります。
- 5. 膀胱癌の転移はリンパ節や肺、肝臓に多く見られます。骨転移も起こりますが、前立腺癌ほど頻繁ではありません。正しくは:膀胱癌の転移先はリンパ節、肺、肝臓が主であり、骨転移は前立腺癌ほど多くない。選びやすい理由:膀胱は骨盤内に位置するため、局所的な浸潤や転移から骨への影響を連想しやすいかもしれませんが、血行性転移による骨転移の頻度は他の癌種ほど高くありません。混同注意:膀胱癌の局所浸潤によって骨盤骨に影響が出ることと、遠隔転移としての骨転移を混同する可能性があります。
国試ポイント
特定の癌種が転移しやすい臓器についての知識を問う問題であり、特に骨転移の好発癌種は国家試験で頻繁に出題される重要な論点です。主要な癌種と、それぞれの主な転移先臓器の組み合わせを正確に理解しているかが試されます。
混同注意
骨転移を起こしやすい癌種として、前立腺癌の他に乳癌、肺癌、腎癌、甲状腺癌、多発性骨髄腫などが挙げられます。これらの癌種と前立腺癌の頻度や骨転移のタイプ(骨融解性か骨芽細胞性か)を混同しないように注意が必要です。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出題された場合、骨転移の好発部位(例: 脊椎、骨盤)、骨転移の種類(骨融解性転移 vs 骨芽細胞性転移)、およびそれぞれの癌種が好んで転移する他の臓器(例: 肺、肝臓、リンパ節、脳など)についても確認できるか問われる可能性があります。
関連知識
骨転移の症状として、疼痛(最も一般的)、病的骨折、脊髄圧迫症状(麻痺、感覚障害)、高カルシウム血症などがあります。診断にはX線、骨シンチグラフィ、CT、MRI、PETなどが用いられます。治療には、鎮痛薬、ビスホスホネート製剤、放射線療法、外科的治療、化学療法、ホルモン療法などがあります。また、それぞれの癌種が好んで転移する臓器(例: 大腸癌の肝転移、肺癌の脳転移)の知識も重要です。