「75歳の男性。脚立から落下し、手足が動かなくなった。非骨傷性脊髄損傷と診断され入院した。肘関節の屈曲は可能、手関節の伸展と屈曲および肘関節の伸展は不能であった。」 退院時には屋内歩行が可能となったが、箸がうまく使えなかった。退院の準備として正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:公益財団法人東洋療法研修試験財団ホームページ(過去の試験問題等)。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
患者は屋内歩行が可能となっているため、歩行に関する支援よりもADL、特に食事動作の自立を促す介入が優先されます。箸がうまく使えないという具体的な問題に対し、食事に対する自助具の作製は、患者の残存機能と生活ニーズに最も合致した支援であり、QOLの向上に直結します。
選択肢ごとの解説
- 1. 屋内歩行が可能となっているため、長下肢装具のような下肢の大きな支持を必要とする装具は現在の状態には不適切です。 正しくは:長下肢装具は、重度の下肢麻痺や不安定性があり、歩行能力が著しく低下している場合に適用されます。
- 2. 箸がうまく使えないことと意思伝達能力は直接関連がなく、意思伝達装置の導入は現在の問題解決にはつながりません。 正しくは:意思伝達装置は、発話や文字によるコミュニケーションが困難な患者に導入されます。
- 3. 屋内歩行が可能となっているため、歩行ロボットは現在の患者の能力に対して過剰な支援であり、適切な選択肢ではありません。 正しくは:歩行ロボットは、自力での歩行が困難または不可能である患者の歩行訓練や補助に用いられます。
- 4. 正解。箸がうまく使えないという具体的な食事動作の問題に対して、自助具の作製は残存機能を最大限に活用し、食事の自立を促す最も適切な介入です。
国試ポイント
患者の残存機能と具体的な問題点に基づいた適切な支援具の選択が重要である。ADL自立に向けた多職種連携と具体的な介入策を理解する。
混同注意
患者の状態に応じた適切な支援レベル(例:歩行可能なら歩行ロボットは過剰、箸が使えないなら食事自助具)を見極めること。
次に同じ論点が出たら
退院時の患者の状態と具体的なADL上の課題(何ができて、何ができないか)を正確に把握し、その課題を解決するための最も直接的で効果的な支援策を選択する。
覚え方
退院時の患者の状態と具体的なADL上の課題(何ができて、何ができないか)を正確に把握し、その課題を解決するための最も直接的で効果的な支援策を選択する。
対になる知識
患者の状態に応じた適切な支援レベル(例:歩行可能なら歩行ロボットは過剰、箸が使えないなら食事自助具)を見極めること。
関連知識
ADL評価(FIM, BI)、福祉用具の種類と適応、理学療法・作業療法における自助具指導の役割。