次の文で示す患者の病証に対し、八脈交会穴の配穴に基づき、手関節近傍の経穴に刺鍼した。もう一か所の刺鍼部位として最も適切なのはどれか。「50歳の男性。主訴は上腹部痛。胸やけと悪心もある。」
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出典:公益財団法人東洋療法研修試験財団ホームページ(過去の試験問題等)。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
患者の主訴である上腹部痛、胸やけ、悪心は、胃腸系の不調を示す症状であり、八脈交会穴においては、公孫(脾経)が胃、心、胸膈部の病証に用いられる。公孫は足根中央部の要穴であり、それに合わせて衝脈の治療を行う際、衝脈の変動によって腹部全体、特に上腹部から心窩部の症状に効果的とされる。このため、足内側、第1中足骨底内側の遠位陥凹部(太白穴付近)は、公孫穴の正確な部位を指しており、症状に合致する。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。上腹部痛、胸やけ、悪心は胃腸系の症状であり、八脈交会穴の公孫(脾経の絡穴、衝脈に交会)が心・胃・胸膈部の病証に用いられる。公孫は足内側、第1中足骨底内側の遠位陥凹部(太白穴より近位)に位置し、症状と対応するため適切。
- 2. 足内側、内果尖の下方1寸は照海(陰蹻脈に交会)の取穴部位であり、陰蹻脈は主に下腹部・陰部疾患、咽喉、不眠、眼疾患などを主治とする。上腹部痛、胸やけ、悪心といった胃腸系の症状には合致しない。 正しくは:上腹部痛、胸やけ、悪心には公孫(足内側、第1中足骨底内側の遠位陥凹部)を選択する。
- 3. 足背、第4・第5中足骨底接合部の遠位は足臨泣(胆経の輸穴、八脈交会穴としては帯脈に交会)の取穴部位である。帯脈は主に腰、脇、股関節の疾患を主治とし、肝胆系の不調にも用いられるが、上腹部痛、胸やけ、悪心といった胃腸系の急性症状には直接的ではない。 正しくは:上腹部痛、胸やけ、悪心には公孫(足内側、第1中足骨底内側の遠位陥凹部)を選択する。
- 4. 足外側、外果尖の直下は申脈(陽蹻脈に交会)の取穴部位である。陽蹻脈は主に不眠、頭痛、腰痛、眼疾、下肢麻痺などを主治とする。上腹部痛、胸やけ、悪心といった胃腸系の症状には合致しない。 正しくは:上腹部痛、胸やけ、悪心には公孫(足内側、第1中足骨底内側の遠位陥凹部)を選択する。
国試ポイント
八脈交会穴の選穴と、各経穴が治療する病証および交会する奇経の理解が求められる。特に、公孫が脾経の絡穴であり衝脈に交会し、心・胃・胸膈部の病証に用いられることを覚える。
混同注意
八脈交会穴は、その性質や主治が似ているものが多く、例えば内関と公孫のように、胸腹部の症状に用いられる穴が複数あるため混同しやすい。それぞれの奇経と主治を正確に覚える必要がある。
次に同じ論点が出たら
同様の問題が出た場合、まず患者の主訴から治療すべき臓腑経絡を特定する。次に、特定した臓腑経絡に対応する八脈交会穴を選択し、その正確な取穴部位を確認する。
覚え方
同様の問題が出た場合、まず患者の主訴から治療すべき臓腑経絡を特定する。次に、特定した臓腑経絡に対応する八脈交会穴を選択し、その正確な取穴部位を確認する。
対になる知識
八脈交会穴は、その性質や主治が似ているものが多く、例えば内関と公孫のように、胸腹部の症状に用いられる穴が複数あるため混同しやすい。それぞれの奇経と主治を正確に覚える必要がある。
関連知識
八脈交会穴とその配穴(例:公孫と内関、臨泣と外関、申脈と照海、後谿と列缺)はペアで覚える。公孫は衝脈、内関は陰維脈、臨泣は帯脈、外関は陽維脈、申脈は陽蹻脈、照海は陰蹻脈、後谿は督脈、列缺は任脈にそれぞれ交会する。