症例情報から最も考えられる脊髄疾患はどれか。患者は両上肢の痛みとしびれに加え、下肢のしびれ、巧緻運動障害(物がつかみにくい)、歩行障害、四肢の深部腱反射亢進を呈しており、ジャクソンテストは陰性であった。
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正解は2番
解説
頸椎症性脊髄症は、頸髄の圧迫により四肢のしびれ、巧緻運動障害、歩行障害(痙性歩行)、深部腱反射の亢進といった上位運動ニューロン障害の脊髄症状を呈する。神経根障害ではないためジャクソンテストは通常陰性となる。
選択肢ごとの解説
- 1. 頸椎症性神経根症は片側の上肢痛やしびれを特徴とし、ジャクソンテストやスパーリングテストが陽性となるが、下肢症状や巧緻運動障害は通常みられない。
- 2. 正解。頸椎症性脊髄症は、頸髄の圧迫により四肢のしびれ、巧緻運動障害、歩行障害(痙性歩行)、深部腱反射の亢進といった上位運動ニューロン障害の脊髄症状を呈する。神経根障害ではないためジャクソンテストは通常陰性となる。
- 3. 胸郭出口症候群は腕神経叢や鎖骨下動静脈の圧迫により上肢のしびれや脱力が生じるが、下肢の症状や脊髄症状は呈さない。
- 4. 梨状筋症候群は坐骨神経の圧迫による臀部から下肢にかけての障害であり、上肢の症状や脊髄症状とは無関係である。
国試ポイント
頸椎症性脊髄症と頸椎症性神経根症の症状の違い(脊髄症状・反射亢進・巧緻運動障害の有無、誘発テストの陽性・陰性)の鑑別が問われる。
覚え方
脊髄症は「四肢すべて(上下肢)」に症状が出て、神経根症は「片側の神経根」だけ。
対になる知識
頸椎症性脊髄症では、四肢のしびれ、手指の巧緻運動障害、歩行障害に加え、四肢の深部腱反射亢進がみられ、ジャクソンテストは陰性となる。これに対し、頸椎症性神経根症では片側の上肢痛や反射の低下・消失がみられ、ジャクソンテストは陽性となる。
関連知識
頸椎症性脊髄症の初期症状として、ボタンをかける、箸を使う、あるいは紐を結ぶなどの日常的な手指の巧緻運動障害が特有に見られる。また、下肢の障害が進行すると、階段昇降時に手すりなしでは不安感を覚えるなどの歩行障害が現れやすい。