78歳の肥満女性。以前から腰痛があった。3日前から左膝内側の痛みが出現。市販の外用薬を使用して様子をみていたが、歩行時痛が増強してきたため来院した。 診断に有用性が最も低いのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:公益財団法人東洋療法研修試験財団ホームページ(過去の試験問題等)。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
スパーリングテストは頸椎神経根症の診断に用いられる検査であり、本問題のテーマである間欠跛行(腰部脊柱管狭窄症や閉塞性動脈硬化症でみられる症状)とは直接関連性が低く、その診断に最も有用性が低いと言える。したがって、診断に最も有用性が低いのはスパーリングテストである。
選択肢ごとの解説
- 1. 間欠跛行の聴取は、腰部脊柱管狭窄症や閉塞性動脈硬化症の診断において、症状の有無や性状を把握するための最も基本的な問診項目であり、診断に非常に有用性が高い。
- 2. 膝蓋跳動(Patellar ballotment)は、膝関節に貯留した関節液を検出する検査であり、膝関節疾患(変形性膝関節症、関節炎など)の診断に有用である。間欠跛行の鑑別とは直接関係はないが、下肢の症状を評価する上で考慮されることはある。ただし、本問題の「診断に最も有用性が低い」という文脈では、スパーリングテストの方がより関連性が低い。
- 3. 正解。スパーリングテストは、頸部を伸展・側屈させ、頭部を上から圧迫することで、頸椎神経根の圧迫による上肢への放散痛を誘発する検査である。これは頸椎神経根症の診断に用いられるものであり、下肢の症状である間欠跛行の診断には直接的な有用性がないため、最も有用性が低い。
- 4. 下肢伸展挙上テスト(SLRテスト)は、坐骨神経痛の有無を評価する検査であり、腰部椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症による神経根刺激症状の診断に用いられる。間欠跛行を引き起こす疾患と関連が深く、診断に有用性が高い。
国試ポイント
間欠跛行の原因となる疾患(腰部脊柱管狭窄症、閉塞性動脈硬化症など)とその鑑別、それぞれの診断に用いられる代表的な身体所見や検査法を正確に理解しておく必要がある。
混同注意
間欠跛行の鑑別として、神経性間欠跛行と血管性間欠跛行がある。神経性間欠跛行は腰部脊柱管狭窄症で生じ、前屈で改善することが多い。血管性間欠跛行は閉塞性動脈硬化症で生じ、安静で改善し、足関節上腕血圧比(ABI)が低下する。
次に同じ論点が出たら
同様の問題が出た場合、まず問題文がどの疾患や症状に関するものかを把握し、その疾患の診断に用いられる検査や所見を検討することで判断する。
覚え方
同様の問題が出た場合、まず問題文がどの疾患や症状に関するものかを把握し、その疾患の診断に用いられる検査や所見を検討することで判断する。
対になる知識
間欠跛行の鑑別として、神経性間欠跛行と血管性間欠跛行がある。神経性間欠跛行は腰部脊柱管狭窄症で生じ、前屈で改善することが多い。血管性間欠跛行は閉塞性動脈硬化症で生じ、安静で改善し、足関節上腕血圧比(ABI)が低下する。
関連知識
腰部脊柱管狭窄症の診断には、間欠跛行の聴取、MRIによる脊柱管の評価、下肢伸展挙上テスト(ただしこれは椎間板ヘルニアでも陽性となる)などが用いられる。閉塞性動脈硬化症の診断には、間欠跛行の聴取、足背動脈触知、ABI測定、超音波ドップラー検査などが有用である。