78歳の肥満女性。以前から腰痛があった。3日前から左膝内側の痛みが出現。市販の外用薬を使用して様子をみていたが、歩行時痛が増強してきたため来院した。 運動療法で適切でないのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:公益財団法人東洋療法研修試験財団ホームページ(過去の試験問題等)。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
長距離歩行は心臓に大きな負荷をかける有酸素運動であり、心疾患患者の運動療法においては、病態や心機能に応じて運動強度を慎重に設定する必要があります。特に、不安定狭心症や重症心不全などでは心臓への過負荷となり、症状の増悪やイベントのリスクを高めるため、不適切とされる場合があります。
選択肢ごとの解説
- 1. 水中ウォーキングは、浮力により関節への負担が少なく、心拍数も陸上より上がりにくいため、心疾患患者にも比較的安全に実施しやすい有酸素運動として適切である。
- 2. 体幹筋訓練は、姿勢の改善や転倒予防に繋がり、日常生活動作の質を向上させる。低負荷から開始すれば、心疾患患者においても安全に実施可能な筋力トレーニングであるため適切。
- 3. 大腿四頭筋訓練は、下肢筋力の維持・向上に重要であり、歩行能力の改善や転倒予防に寄与する。低負荷から開始すれば、心疾患患者にも安全に実施可能な筋力トレーニングであるため適切。
- 4. 正解。長距離歩行は、運動強度が高い有酸素運動であり、心疾患患者においては病態や心機能に応じて運動負荷を慎重に設定する必要がある。不適切な強度や時間で行うと、心臓に過度な負担がかかり、症状悪化やイベントのリスクを高めるため、不適切である。 正しくは:患者の心機能評価に基づいた、適切な強度、時間、頻度での有酸素運動(例:中等度の速さでの短~中距離歩行、運動負荷試験で安全性が確認された範囲での運動)。
国試ポイント
心疾患患者に対する運動療法の適応と禁忌、および運動処方の原則を理解しているか。
混同注意
心疾患患者に対する運動療法は、個別性に配慮し、運動の種類、強度、時間、頻度を慎重に決定する必要がある。一律に「運動は良い」と捉えがちだが、病態によっては禁忌となる運動や、強度を誤ると有害となる場合がある。
次に同じ論点が出たら
心疾患患者の運動療法問題では、患者の病態(安定期か急性期か、心機能のレベル)と提示された運動の強度や特性が適切かを判断する。
覚え方
心疾患患者の運動療法問題では、患者の病態(安定期か急性期か、心機能のレベル)と提示された運動の強度や特性が適切かを判断する。
対になる知識
心疾患患者に対する運動療法は、個別性に配慮し、運動の種類、強度、時間、頻度を慎重に決定する必要がある。一律に「運動は良い」と捉えがちだが、病態によっては禁忌となる運動や、強度を誤ると有害となる場合がある。
関連知識
運動療法の効果(心機能改善、QOL向上、危険因子改善)、運動療法の種類(有酸素運動、筋力トレーニング)、運動処方のFITT原則(頻度、強度、時間、種類)、運動中止基準、心臓リハビリテーション。