17歳の女子バレーボール選手。スパイクの練習量が多くなり、左下腿中央部の痛みと腫脹を自覚。近医で、左脛骨中央に著明な圧痛とエックス線側面像で骨皮質の肥厚を認めた。体温は正常、安静時および夜間の痛みはない。 最も適切な対応はどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:公益財団法人東洋療法研修試験財団ホームページ(過去の試験問題等)。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
スパイク動作は肩関節や肘関節に大きな負荷をかける動作であり、特に成長期に反復されることで上腕骨近位骨端線損傷(リトルリーグ肩)などのオーバーユース症候群を引き起こす可能性があります。症状がある場合は、痛みの増強や病態の悪化を防ぐため、原因となる動作を中止し、安静を確保することが最も重要です。
選択肢ごとの解説
- 1. 抗菌薬の投与は細菌感染症に対して行われる治療であり、骨端線損傷などのスポーツ障害には適応されません。痛みや炎症が感染によるものではないため、効果はありません。 正しくは:患部の安静、アイシング、鎮痛剤の服用など。
- 2. 骨腫瘍の切除は骨腫瘍と診断された場合に選択される治療法であり、本症例では骨腫瘍を示唆する情報がありません。スポーツ障害の一般的な対応ではありません。 正しくは:患部の安静、アイシング、鎮痛剤の服用など。
- 3. 下腿筋群のストレッチングは下腿部の柔軟性向上を目的とするものであり、上腕骨近位骨端線損傷が疑われる症状とは直接関連しません。また、炎症や損傷部位に過度なストレッチを行うことは症状を悪化させる可能性があります。 正しくは:患部の安静、アイシング、鎮痛剤の服用など。
- 4. 正解。スパイク動作は上腕骨近位骨端線に繰り返しの過度なストレスを与えるため、症状の原因となっている可能性が高いです。痛みを伴う動作を中止し、患部の安静を保つことが、症状の悪化を防ぎ治癒を促す上で最も適切な初期対応です。
国試ポイント
スポーツ障害における初期対応とオーバーユース症候群の原因動作中止の重要性。
混同注意
炎症が疑われる場合でも、感染症と混同して抗菌薬投与を選択しないこと。また、骨折や腫瘍が明確でない段階で外科的治療を安易に選択しないこと。
次に同じ論点が出たら
スポーツによる痛みや症状がある場合、まずは原因となる動作の中止や安静、アイシングなどの保存療法が原則であることを判断基準とする。
覚え方
スポーツによる痛みや症状がある場合、まずは原因となる動作の中止や安静、アイシングなどの保存療法が原則であることを判断基準とする。
対になる知識
炎症が疑われる場合でも、感染症と混同して抗菌薬投与を選択しないこと。また、骨折や腫瘍が明確でない段階で外科的治療を安易に選択しないこと。
関連知識
リトルリーグ肩(上腕骨近位骨端線離開)、野球肘(内側上顆炎、離断性骨軟骨炎)、疲労骨折、オスグッド・シュラッター病など、成長期に特有のオーバーユース症候群の病態と初期対応。