66歳の男性。右前頭葉に脳出血を発症し保存治療中。身体麻痺は認められず排泄動作は自立しているが、トイレに行くこと自体を忘れて失禁することがある。 高次脳機能障害として最も考えられるのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:公益財団法人東洋療法研修試験財団ホームページ(過去の試験問題等)。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
遂行機能障害は、目標達成のために計画を立て、それを実行し、評価・修正する一連の認知プロセス(遂行機能)に障害が生じるもので、高次脳機能障害の中核的な症状の一つです。具体的には、段取りが悪い、衝動的な行動、問題解決能力の低下などが含まれます。
選択肢ごとの解説
- 1. 半側空間無視は、高次脳機能障害の一症状ではありますが、「最も考えられる」という問いに対しては、遂行機能障害の方がより包括的で高次脳機能障害の定義に深く関わります。特に右半球損傷で左側を認識できない症状です。 正しくは:高次脳機能障害の一症状として正しいが、最も代表的とは言えない。
- 2. 正解。遂行機能障害は、目標設定から計画、実行、結果の評価・修正に至る一連の認知プロセス(遂行機能)に障害が生じるもので、高次脳機能障害の中核的な症状であり、診断基準にも含まれるため、最も考えられる高次脳機能障害と言えます。
- 3. 身体失認は、自分の身体部位やその位置関係を認識できない障害であり、高次脳機能障害の一症状ではありますが、「最も考えられる」という問いに対しては、遂行機能障害の方がより広範で代表的です。主に頭頂葉の損傷と関連します。 正しくは:高次脳機能障害の一症状として正しいが、最も代表的とは言えない。
- 4. 観念失行は、対象物の使用方法や動作の概念が失われ、一連の動作を順序立てて行うことができない障害です。これも高次脳機能障害の一症状ですが、最も代表的なものとしては遂行機能障害の方が適切です。観念運動失行と区別されます。 正しくは:高次脳機能障害の一症状として正しいが、最も代表的とは言えない。
国試ポイント
高次脳機能障害の主要な症状とその概念を理解すること。特に、遂行機能障害は高次脳機能障害の診断基準に含まれる重要な症状です。
混同注意
高次脳機能障害は、失語、失行、失認、記憶障害、注意障害、遂行機能障害など、多様な症状を包括する概念です。個々の症状名と高次脳機能障害という大枠を混同しないように区別が必要です。
次に同じ論点が出たら
高次脳機能障害を問う問題が出た場合、記憶障害、注意障害、遂行機能障害、社会的行動障害など、中核的な症状が選択肢にあるかを確認し、最も広範で代表的なものを選ぶ。
覚え方
高次脳機能障害を問う問題が出た場合、記憶障害、注意障害、遂行機能障害、社会的行動障害など、中核的な症状が選択肢にあるかを確認し、最も広範で代表的なものを選ぶ。
対になる知識
高次脳機能障害は、失語、失行、失認、記憶障害、注意障害、遂行機能障害など、多様な症状を包括する概念です。個々の症状名と高次脳機能障害という大枠を混同しないように区別が必要です。
関連知識
高次脳機能障害の原因疾患(脳血管障害、頭部外傷、脳炎など)、診断基準、リハビリテーションアプローチについても関連知識として押さえておく必要があります。