17歳の女子バレーボール選手。スパイクの練習量が多くなり、左下腿中央部の痛みと腫脹を自覚。近医で、左脛骨中央に著明な圧痛とエックス線側面像で骨皮質の肥厚を認めた。体温は正常、安静時および夜間の痛みはない。 疾患として最も考えられるのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:公益財団法人東洋療法研修試験財団ホームページ(過去の試験問題等)。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
選択肢2の疲労骨折は、スポーツ活動などによる繰り返し負荷が骨に加わることで発生し、特に脛骨はランニングなどで好発部位となります。画像所見である骨皮質の肥厚や骨膜反応は、骨折修復過程でみられる所見であり、疲労骨折に特徴的です。
選択肢ごとの解説
- 1. 類骨骨腫は良性骨腫瘍であり、夜間痛が特徴的ですが、画像所見として中心にNidusと呼ばれる類骨組織を伴うことが多いです。骨膜反応や骨皮質肥厚はありますが、疲労骨折とは異なります。 正しくは:類骨骨腫の典型的な画像所見は、中心にNidus(類骨巣)を伴う、境界明瞭な硬化像です。
- 2. 正解。疲労骨折は、繰り返し加わる過負荷によって骨に微細な損傷が生じ、それが修復過程で骨膜反応や骨皮質の肥厚として画像上観察される病態です。脛骨の疲労骨折はスポーツ選手に多く見られ、症状や画像所見が合致します。
- 3. 化膿性骨髄炎は細菌感染による骨と骨髄の炎症であり、発熱や炎症反応高値などの全身症状を伴うことが多く、画像上は骨破壊や骨硬化像、 sequestrum(腐骨)や involucrum(骨膜性新生骨)が見られることがあります。単純な骨膜反応や骨皮質肥厚とは異なります。 正しくは:化膿性骨髄炎では、発熱などの感染症状や炎症反応の高値が一般的です。画像では骨破壊像や腐骨が特徴的です。
- 4. シンスプリント(脛骨過労性骨膜炎)は脛骨内側縁に沿った疼痛が特徴ですが、骨膜の炎症が主体であり、初期の単純X線写真では異常を認めないか、軽度の骨膜反応にとどまることが多いです。骨皮質の著明な肥厚は通常見られず、疲労骨折とは区別されます。 正しくは:シンスプリントは脛骨内側縁の骨膜炎であり、X線では骨変化を認めないか軽度の骨膜反応のみです。骨皮質の肥厚があれば疲労骨折を疑います。
国試ポイント
疲労骨折の概念、好発部位、典型的な画像所見(骨膜反応、骨皮質肥厚)を理解すること。
混同注意
疲労骨折とシンスプリント、および他の骨腫瘍や炎症性疾患との鑑別が重要です。疲労骨折は骨構造の破綻を伴うのに対し、シンスプリントは骨膜の炎症が主体です。
次に同じ論点が出たら
同様の画像所見と臨床経過(運動負荷、限局性疼痛)が提示された場合、疲労骨折を第一に疑い、鑑別疾患との比較検討を行います。
覚え方
同様の画像所見と臨床経過(運動負荷、限局性疼痛)が提示された場合、疲労骨折を第一に疑い、鑑別疾患との比較検討を行います。
対になる知識
疲労骨折とシンスプリント、および他の骨腫瘍や炎症性疾患との鑑別が重要です。疲労骨折は骨構造の破綻を伴うのに対し、シンスプリントは骨膜の炎症が主体です。
関連知識
疲労骨折の治療は原則として安静ですが、進行例や高リスク部位では手術が検討されることもあります。好発部位として脛骨、中足骨、腓骨、大腿骨頚部などがあります。