病気の解説

急性糸球体腎炎

別名:糸球体腎炎

まず相談する診療科腎臓内科泌尿器科
関係する症状血尿
この解説の項目7項目

受診の目安

  • のどの痛み(咽頭炎・扁桃炎)や皮膚の感染症が治ったあと、しばらくして尿が赤茶色やコーラのような色になったとき(CDC)(日本小児腎臓病学会)
  • 朝起きたときにまぶたや顔がむくむ、体重が急に増えた、尿の量が減ったと感じるとき(CDC)(日本小児腎臓病学会)
  • だるさ、食欲がない、頭痛や吐き気が続くとき(CDC)(日本小児腎臓病学会)

相談先は、子どもは小児科、大人は内科(腎臓内科)です。重い場合には、けいれんや意識がおかしくなる、息が苦しくなるといった状態になることがあるとされるため(日本小児腎臓病学会)、そのような様子があれば様子を見ずにすぐ医療機関に連絡してください。むくみや血尿はほかの腎臓の病気でも起こるため、症状だけで病名を判断することはできません。

基本

急性糸球体腎炎とは

腎臓には、細い血管が毛糸の玉のように集まった「糸球体」があり、血液から老廃物をこして尿をつくっています。急性糸球体腎炎は、この糸球体に急に炎症が起こり、血尿やたんぱく尿、むくみ、高血圧などが出る病気です(日本小児腎臓病学会)。細菌やウイルスの感染がきっかけになり、代表的なのは溶連菌(A群溶血性レンサ球菌)の感染後に起こるタイプです(日本小児腎臓病学会)(CDC)。ほかの多くの腎臓病と違い、ほとんどの場合は完全に治るとされます(日本小児腎臓病学会)。

主な症状

のどの感染が治ってから約2週間後に症状が出るとされます(日本小児腎臓病学会)。皮膚の感染のあとでは、もう少し間があいてから起こることがあります(CDC)。

  • 血尿(赤茶色の尿)、たんぱく尿(日本小児腎臓病学会)(CDC)
  • むくみ:顔やまぶたに出やすく、朝に目立ちます(CDC)。急な体重増加で気づくこともあります(日本小児腎臓病学会)
  • 高血圧:頭痛や吐き気の原因になることがあります(日本小児腎臓病学会)
  • 尿の量が減る、だるさ、食欲低下(日本小児腎臓病学会)(CDC)

重い場合は、高血圧によるけいれんや意識障害、体にたまった水分による肺水腫(息苦しさ)、腎臓の働きの低下が起こり、一時的に透析が必要になることもあります(日本小児腎臓病学会)。一方、症状がごく軽い人もいます(CDC)。

原因・なりやすい要因

溶連菌による咽頭炎・扁桃炎や皮膚の感染症をきっかけに、体の免疫の反応が糸球体に炎症を起こすと考えられています(CDC)。主に子どもがかかり、とくに幼児から小学生くらいに多いとされますが、大人がかかることもあります(日本小児腎臓病学会)(CDC)。晩秋から寒い時期に多いとされます(日本小児腎臓病学会)。

検査と診断

診断

尿検査で血尿やたんぱく尿を確かめ、血液検査で腎臓の働きなどを調べます(NIDDK)(CDC)。溶連菌に感染したあとかどうかも、診断の手がかりになります(CDC)。

治療

治療

特別な薬で炎症を止めるというより、むくみや高血圧を管理しながら回復を待つ治療が中心です(日本小児腎臓病学会)(CDC)。

  • むくみや高血圧が強い時期は入院して安静にします(日本小児腎臓病学会)
  • 水分・塩分・たんぱく質などの食事制限を行います(日本小児腎臓病学会)
  • 血圧を下げる薬や、尿を出しやすくする薬(利尿薬)を使うことがあります(日本小児腎臓病学会)
  • 体に残っている溶連菌に対して、抗菌薬(ペニシリンなど)が使われます(CDC)

食事や運動の制限は、医療機関の指示に従ってください。

経過と生活

経過

急性期を過ぎると尿が十分に出るようになり、むくみは引いていきます(日本小児腎臓病学会)。尿の異常は通常6か月くらいで正常に戻り、血尿は3〜6か月続くことがあるとされます(日本小児腎臓病学会)。子どもでは多くが完全に回復する一方、大人では腎臓の働きの低下が残りやすいとされます(CDC)。退院後も、尿検査で経過を確かめていきます(日本小児腎臓病学会)。

急性糸球体腎炎と関係する症状

症状のページでは、同じ症状が出るほかの病気や受診の目安も確認できます。

腎臓内科で扱うほかの病気

国家試験での出題

医療系の国家試験で、この病気に関係して出題された過去問です(学生・受験生向け)。

出典

日本小児腎臓病学会「急性糸球体腎炎」(患者さん向け) / CDC「Post-Streptococcal Glomerulonephritis」 / NIDDK「Glomerular Diseases」
内容の確認日:2026-10-13(次回確認予定 2027-04-13)。複数の公的情報源の事実をもとに medimichi が独自にまとめています。

この記事は一般的な医療情報の解説で、診断・治療を目的としたものではありません。気になる症状があるときは、自己判断せず医療機関を受診してください。緊急時は 119 / 医療機関へ。