病気の解説
新生児敗血症
受診の目安
生まれて間もない赤ちゃんに、次のような様子がみられるときは、すぐに医療機関に相談してください。
- ぐったりしている、ぼんやりして反応が弱い、起こしても起きにくい
- おっぱいやミルクの飲みが悪い
- 熱がある、または体が冷たい(体温が高すぎる・低すぎる)
- 呼吸が苦しそう、呼吸が止まる時間がある
- 皮膚の色が灰色っぽい、青っぽい、顔色が悪い
- 機嫌が悪くぐずり続ける、けいれんする
相談先は小児科(出産した施設や新生児科を含む)です。これらは新生児のほかの病気でもみられ、様子だけで敗血症かどうかを判断することはできません(CDC)(MSDマニュアル)。敗血症が疑われる場合は、検査結果を待たずに治療を始めることがあり、早く治療を始めることが重要とされています(MSDマニュアル)(CDC)。妊娠中にB群溶血性レンサ球菌(GBS)が陽性だった、出産時に熱があったなどの情報は、医療者に伝えましょう。
基本
新生児敗血症とは
新生児敗血症は、細菌などによる感染が血液の流れにのって全身に広がり、体全体に重い反応が起きた状態です(MSDマニュアル)。発症の時期によって、生まれてすぐの時期に起こる「早発型」と、それより後に起こる「遅発型」に分けられます。区切りの時期は情報源によって異なり、生後3日(MSDマニュアル)、またはB群溶血性レンサ球菌による病気では生後1週間(CDC)を目安としています。
主な症状
- 元気がない、ぐったりしている、飲みが悪い(MSDマニュアル)(CDC)
- 体温が不安定(熱が出る、または低体温)(MSDマニュアル)(CDC)
- 皮膚が灰色っぽい・青っぽい、顔色が悪い、手足が冷たい(MSDマニュアル)(CDC)
- 呼吸が苦しい、呼吸が一時的に止まる(MSDマニュアル)(CDC)
- 不機嫌、けいれん、おなかの張り、吐く、下痢、黄疸など(MSDマニュアル)(CDC)
B群溶血性レンサ球菌による早発型では、多くの赤ちゃんが生まれた日に症状を示すとされます(CDC)。重い合併症として、脳を包む膜の感染症(髄膜炎)があり、うとうとして起きない、けいれん、頭のてっぺんのやわらかい部分(大泉門)のふくらみなどがみられることがあります(MSDマニュアル)。
原因・なりやすい要因
- 早発型:主に分娩の前後に、お母さんの産道などにいる細菌に赤ちゃんが触れて起こります。大腸菌やB群溶血性レンサ球菌が代表的で、ヘルペスウイルスなどのウイルスが原因になることもあります(MSDマニュアル)(CDC)。
- 遅発型:入院中の医療機器(カテーテルなど)を通じた感染が多いほか、ウイルスやカビ(カンジダ)が原因になることもあります(MSDマニュアル)。どこから菌がうつったか、はっきりしない場合もあります(CDC)。
なりやすい要因:早産・低出生体重(免疫がまだ未熟なため)、破水から出産までに時間がかかったこと、お母さんの感染症やB群溶血性レンサ球菌の保菌、出産時の発熱、出生時に蘇生が必要だったこと、カテーテルや人工呼吸器の使用、長期入院などが挙げられています(MSDマニュアル)。
検査と診断
診断
症状に加え、血液の培養検査で菌を調べるのが基本です。必要に応じて、尿の検査や、背中から針を刺して髄液を調べる検査(腰椎穿刺)、呼吸に問題があれば胸のX線検査が行われます(MSDマニュアル)(CDC)。
治療
治療
敗血症が疑われる場合は、培養検査の結果を待たずに、点滴で抗菌薬(抗生物質)を始めます。原因の菌がわかったら、薬の種類を調整することがあります(MSDマニュアル)(CDC)。
状態に応じて、人工呼吸器による呼吸の補助、点滴、輸血、血圧や血液の流れを支える薬などが使われます(MSDマニュアル)。
経過と生活
予防
B群溶血性レンサ球菌による早発型を防ぐため、妊娠中にこの菌を持っているかを調べる検査が行われます。陽性の人や、以前にこの菌の病気の赤ちゃんを出産したことがある人には、分娩時に抗菌薬が投与されます(MSDマニュアル)(CDC)。一方、生後1週間以降に起こる病気を防ぐ効果的な方法は、まだ確立していないとされます(CDC)。
経過
適切な治療を受けても、命にかかわることがある病気です(MSDマニュアル)(CDC)。回復した赤ちゃんの多くは長く続く問題は残らないとされますが、髄膜炎を起こした場合は、難聴や発達の障害などが残るおそれが高くなります(MSDマニュアル)(CDC)。
小児科で扱うほかの病気
出典
MSDマニュアル家庭版「新生児の敗血症」 / CDC「About Group B Strep Disease」 / CDC「Symptoms of Group B Strep Disease」
内容の確認日:2026-10-13(次回確認予定 2027-04-13)。複数の公的情報源の事実をもとに medimichi が独自にまとめています。
この記事は一般的な医療情報の解説で、診断・治療を目的としたものではありません。気になる症状があるときは、自己判断せず医療機関を受診してください。緊急時は 119 / 医療機関へ。