病気の解説
無トランスフェリン血症
受診の目安
無トランスフェリン血症では、高度な貧血による顔色の悪さや疲れやすさです。症状が強くなる・日常生活に支障が出る・経過や治療に不安があるときは、内分泌・代謝内科に相談してください。通院中の方は自己判断で治療を中断しないでください。
基本
概要
無トランスフェリン血症は、トランスフェリンが欠乏することで鉄が骨髄へ十分送られず、ヘモグロビンの産生が低下して小球性低色素性貧血を起こすという病気です。併来する鉄の過剰蓄積により肝臓などの臓器へ鉄が沈着し、ヘモクロマトーシスを生じることがあります。
主な症状
主な症状は高度な貧血による顔色の悪さや疲れやすさです。貧血は乳幼児期に現れやすく、早く発症すると発育障害を招くことがあります。感染しやすいことも報告されています。鉄が臓器へ蓄積することで肝機能障害や心機能への影響など、臓器の障害を伴う場合があります。
原因
原因として、トランスフェリンをつくる遺伝子 TF の変異が関与すると考えられています。報告例の多くで両アレルに変異がみられ、遺伝は常染色体劣性と見られています。
検査と診断
診断
鉄剤を使っても反応が乏しい小球性低色素性貧血で、血清鉄が低く、総鉄結合能(TIBC)も低値をとることが特徴です。特にTIBCが著しく低い場合(20~70 μg/dL)のときにトランスフェリンの定量を行い、10 mg/dL以下であれば診断が確実とされています。骨髄では赤芽球の過形成が見られ、鉄芽球の数が減少する像が特徴的です。近年は遺伝子解析が容易になってきており、TF遺伝子の検査も今後重要になると考えられます。
治療
治療
不足しているトランスフェリンを補充する治療として、血漿製剤や血漿から取り出したアポトランスフェリンの投与が行われます。治療を受けると数ヶ月以内に血液学的状態が正常化することがあります。併せてヘモクロマトーシスへ対応するため、鉄を体外へ排出する治療(キレート剤の使用)が推奨されることがあります。
内分泌・代謝内科で扱うほかの病気
出典
参考: 小児慢性特定疾病情報センター(出典の事実をもとに medimichi が患者向けに再構成)
この記事は一般的な医療情報の解説で、診断・治療を目的としたものではありません。気になる症状があるときは、自己判断せず医療機関を受診してください。緊急時は 119 / 医療機関へ。