病気の解説

知的能力障害

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受診の目安

  • 同じ年ごろの子どもと比べて、言葉が出るのが遅い、言葉でのやりとりが進まないと感じるとき
  • 新しいことを覚えたり、身の回りのことを身につけたりするのに、とても時間がかかるとき
  • 年齢に比べて行動が幼いと感じたり、園や学校から発達について指摘を受けたりしたとき
  • 一度できていたことが、できなくなってきたとき

まずはかかりつけの小児科に相談し、必要に応じて発達を専門とする小児科医や児童精神科などの専門家を紹介してもらう方法があります(NICHD)。言葉や社会性の遅れは、知的能力障害ではなく、難聴や学習の障害、環境などが原因のこともあり、様子だけで判断することはできません(MSDマニュアル)。

基本

知的能力障害とは

知的能力障害(知的障害、知的発達症)は、学ぶ・考える・問題を解決するといった知的な働きと、日常生活や社会生活に必要な力(適応機能)の両方に、発達期から制限がある状態です(NICHD)(MSDマニュアル)。厚生労働省の調査での定義は、子どもから大人になるまでの発達の時期(おおむね18歳まで)に知的な働きの遅れが現れ、そのために暮らしの中で困りごとがあって、何かしらの支えが必要になっている状態、というものです(厚生労働省)。神経発達症の一つとされます(MSDマニュアル)。

主な特徴

  • 新しい知識や技能を身につけるのがゆっくり
  • 年齢に比べて行動が幼い
  • 身の回りのこと、コミュニケーション、人づきあい、安全への注意などに支援が必要

発達の遅れは、運動よりも言葉ややりとりの面に出やすいとされます。程度が軽い場合は就学前まで気づかれないこともある一方、程度が重い場合は早い時期に気づかれることが多いとされます(MSDマニュアル)。

注意欠如・多動症、自閉スペクトラム症、不安やうつなどを伴うこともあります。また、けいれん、運動の障害、言葉の遅れ、視力や聴力の低下などを伴う場合もあります(MSDマニュアル)(NICHD)。

原因・なりやすい要因

原因はさまざまで、はっきり特定できないことも多いとされます(MSDマニュアル)。

  • 生まれる前:ダウン症候群や脆弱X症候群などの染色体・遺伝子の病気、生まれつきの代謝の病気(フェニルケトン尿症など)、先天性甲状腺機能低下症、妊娠中の感染(風疹、サイトメガロウイルスなど)、胎児期のアルコールや薬の影響など(MSDマニュアル)(NICHD)
  • 出産の前後:早産、とても小さく生まれること、出生時の仮死や脳内出血など(MSDマニュアル)
  • 生まれた後:脳炎・髄膜炎、重い頭のけが、鉛などの中毒、栄養不足や刺激の少ない環境など(MSDマニュアル)

検査と診断

診断

発達や知能の検査、日常生活の力の評価に加え、これまでの経過、家族の病歴、神経の診察などをもとに判断します(MSDマニュアル)。程度は、知能の検査結果だけでなく、どのくらいの支援が必要かもあわせて考えます(MSDマニュアル)(厚生労働省)。

原因を調べるために、頭部MRI、染色体や遺伝子の検査、代謝の検査などが行われることがあります。原因がわかると、今後の見通しや教育の計画、遺伝の相談に役立ち、保護者の自責感を和らげることにもつながるとされます(MSDマニュアル)。

治療

治療・支援

対応の中心は、教育、家族への相談支援、社会的な支援で、本人の力を伸ばし暮らしやすくすることを目指します(MSDマニュアル)。

  • 早期からの支援:できるだけ早い時期から療育などの支援を始めることが勧められます(MSDマニュアル)(NICHD)。
  • チームでの支援:医師、療法士、教育関係者、ソーシャルワーカーなどが協力して支えます(MSDマニュアル)。
  • 教育:本人の力に合わせた教育プログラムを、できるだけ制限の少ない環境で受けられるようにします(MSDマニュアル)。
  • 家族への支援:家族への継続的な相談や、日常生活の支援も大切とされます(MSDマニュアル)。
  • 薬:伴っている精神面の症状に対して薬を使うことがありますが、行動面の支援や環境の調整と組み合わせることが重要とされます(MSDマニュアル)。

経過と生活

予防

原因の一部は予防できるものがあります。風疹などのワクチン、妊娠中に飲酒しないこと、妊娠前から妊娠初期にかけての葉酸の摂取、出産前後の医療の充実などが役立つとされます(MSDマニュアル)。

経過

程度が軽い〜中くらいの人の多くは、支援を受けながら自立した生活や仕事をすることができるとされます。程度が重い場合は、生涯にわたる支援が必要になることが多いとされます(MSDマニュアル)。

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出典

NICHD(米国立小児保健発達研究所)「About Intellectual and Developmental Disabilities」 / 厚生労働省「知的障害児(者)基礎調査 用語の解説」 / MSDマニュアル プロフェッショナル版「知的能力障害」
内容の確認日:2026-10-13(次回確認予定 2027-04-13)。複数の公的情報源の事実をもとに medimichi が独自にまとめています。

この記事は一般的な医療情報の解説で、診断・治療を目的としたものではありません。気になる症状があるときは、自己判断せず医療機関を受診してください。緊急時は 119 / 医療機関へ。