病気の解説
絨毛がん
別名:絨毛癌
受診の目安
- 出産・流産・子宮外妊娠・胞状奇胎のあとに、月経とは関係のない性器からの出血が続くとき
- 出産後の出血が、ふつうより長く続くとき
- 下腹部の痛みや圧迫感があるとき
- だるさ、息切れ、ふらつき、動悸など貧血を思わせる症状があるとき
- 胞状奇胎の治療後に、経過観察のための血液検査(hCG)を予定どおり受けられていないとき
相談先は産婦人科です。これらの症状は他の多くの原因でも起こるため、症状だけで絨毛がんかどうかを判断することはできません。血液検査や画像検査で確かめる必要があります(米国国立がん研究所)(MSDマニュアル家庭版)。
基本
絨毛がんとは
絨毛がんは、妊娠したときに胎盤をつくるもとになる細胞(栄養膜細胞)から生じる、まれな悪性腫瘍です(米国国立がん研究所)。妊娠に関連して起こる「妊娠性絨毛性疾患」というグループの一つで、その中でも悪性のタイプにあたります(米国国立がん研究所)(MSDマニュアル家庭版)。子宮の筋肉や血管に入り込み、血液の流れなどに乗って、肺や脳など離れた臓器に広がることがあります(米国国立がん研究所)(MSDマニュアル家庭版)。
主な症状
妊娠性絨毛性疾患では、次のような症状がみられることがあります(米国国立がん研究所)。
- 月経とは関係のない性器出血、出産後に長引く出血
- 下腹部の痛みや圧迫感
- 出血が続くことによる貧血の症状(疲れやすさ、息切れ、めまい、動悸)
- まれに、甲状腺の働きが強くなりすぎた症状
がんがほかの臓器に広がると、広がった場所に応じた症状が出ることがあります(MSDマニュアル家庭版)。
原因・なりやすい要因
絨毛がんは、妊娠に続いて起こります。胞状奇胎(とくに全胞状奇胎)のあとに起こりやすいほか、ふつうの妊娠・出産、流産、卵管などで起こる子宮外妊娠のあとにも生じることがあります(米国国立がん研究所)。胞状奇胎のうち一部が絨毛がんになるとされています(MSDマニュアル家庭版)。
なりやすさに関わる要因として、20歳未満または35歳を超えてからの妊娠、過去に胞状奇胎になったことがある、などが挙げられています(米国国立がん研究所)。
検査と診断
診断
- 血液検査(hCG):栄養膜細胞がつくる妊娠ホルモン(hCG)を測ります。妊娠していないのにこの値が高い場合、この病気が疑われる手がかりになります。治療の効果を確かめる目安としても使われます(米国国立がん研究所)(MSDマニュアル家庭版)。
- 画像検査:超音波検査に加え、広がりを調べるために胸部のエックス線検査やCT、MRIなどが行われます(米国国立がん研究所)(MSDマニュアル家庭版)。
病気の広がり(病期)は、子宮の中にとどまるもの、子宮の周りに及ぶもの、肺に広がったもの、それ以外の離れた臓器に広がったもの、という段階で分けられます。さらに、年齢、hCGの値、腫瘍の数や大きさ・場所、先行した妊娠の種類などから、低リスクか高リスクかが判定され、治療の選び方に使われます(米国国立がん研究所)。
治療
治療
- 抗がん剤治療(化学療法):治療の中心です。低リスクの場合は1種類または複数の薬で治療し、高リスクの場合は複数の薬を組み合わせて使います(米国国立がん研究所)(MSDマニュアル家庭版)。hCGの値が正常に戻ったあとも、しばらく治療を続けるとされます(米国国立がん研究所)。
- 手術:薬の効きが十分でない場合などに、子宮を摘出する手術が検討されることがあり、その後も化学療法やhCGの確認が続けられます(MSDマニュアル家庭版)。
- 放射線治療:脳に広がった場合などに使われることがあります(米国国立がん研究所)。
将来妊娠を望むかどうかは治療法の選択に関わるため、治療前に医師と話し合うことが大切です(米国国立がん研究所)。化学療法の前に卵子を凍結するなど、妊娠する力を残す方法もあるとされます(MSDマニュアル家庭版)。
経過と生活
経過
妊娠性絨毛性疾患は、たいていの場合治すことができるとされています(米国国立がん研究所)。見通しは、広がりの程度やリスク分類によって異なり、広がりが少ないほど良好とされます(MSDマニュアル家庭版)(米国国立がん研究所)。
治療が終わったあとも、再発がないかを確かめるためにhCGの検査を定期的に続けます(米国国立がん研究所)。妊娠するとhCGが上がって判定ができなくなるため、検査を続けている間は確実な避妊が必要とされます(MSDマニュアル家庭版)。
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出典
米国国立がん研究所(NCI)「Gestational Trophoblastic Disease Treatment (PDQ) – Patient Version」 / MSDマニュアル家庭版「胞状奇胎妊娠」
内容の確認日:2026-10-13(次回確認予定 2027-04-13)。複数の公的情報源の事実をもとに medimichi が独自にまとめています。
この記事は一般的な医療情報の解説で、診断・治療を目的としたものではありません。気になる症状があるときは、自己判断せず医療機関を受診してください。緊急時は 119 / 医療機関へ。