病気の解説
自然流産
緊急性の高い症状
流産のあと、まれに子宮に感染が起こり命にかかわることがあります。流産から24時間以上たってから次のような症状が出たときは、すぐに119番通報するか救急受診してください。
- 高い熱がくり返し出る
- 下腹部の強い痛み
- うみが混じったり、いやなにおいのする血の混じったおりもの
出典:米国国立小児保健・人間発達研究所(NICHD)
当てはまるときは、ためらわず 119 または救急外来へ。
受診の目安
自然流産は、妊娠の早い時期に、妊娠が自然に終わってしまうことです。
- 妊娠中に性器からの出血(少量でも)、色の濃いおりもの、下腹部や腰の痛み・張り、液体や組織のかたまりのようなものが出たときは、すぐにかかりつけの産婦人科に連絡し、指示に従って受診してください。
- 妊娠初期の少量の出血は流産でないこともありますが、自己判断せず診てもらってください。
- ほかにもいつもと違う、気になることがあるときは遠慮なく相談してください。
出血や腹痛の原因はほかにもあり、症状だけで流産かどうかは判断できません。
出典:MedlinePlus(米国国立医学図書館)、米国国立小児保健・人間発達研究所(NICHD)
基本
概要
自然流産は、妊娠中に胎児が自然に排出される現象です。流産の原因は多くの場合不明ですが、妊娠10~11週までに起こる流産は、染色体異常が関与していることがよくあります。特に、20歳未満や35歳以上の女性に多く見られます。また、子宮の解剖学的異常や特定のウイルス感染、糖尿病や自己免疫疾患なども流産の原因となることがあります。流産は、母体の年齢や過去の流産歴、喫煙や薬物使用、特定の病気などのリスク因子によって影響を受けることがあります。
主な症状
流産の前には、通常、性器からの出血が見られます。この出血は鮮紅色や暗赤色で、少量から多量まで様々です。また、流産の際には、子宮が収縮して差し込むような痛みが生じることがあります。妊娠初期の流産では、少量の出血が唯一の症状であることもありますが、妊娠が進むにつれて大量出血が起こることもあります。稀に、胎児の発育が停止しても症状が現れないことがあり、これを稽留流産と呼びます。
検査と診断
診断
流産の診断には、医師による評価や超音波検査、血液検査が用いられます。妊娠20週までに出血や痛みがある場合、医師は診察を行い、流産の可能性を確認します。内診では、子宮頸管が開いているかどうかを調べ、開いていない場合は妊娠を継続できる可能性があります。超音波検査では、流産が起こっているかどうかや胎児の心拍を確認します。血液検査では、妊娠を示すホルモンのレベルを測定します。
治療
治療
流産が確認された場合、胎児と胎盤が完全に排出されているなら、特別な治療は必要ありません。妊娠組織が残っている場合は、自然に排出されるのを待つか、薬剤や処置で取り除くことが考えられます。また、必要に応じて鎮痛薬が処方されることもあります。切迫流産の場合は、運動を控えたり横になって過ごすことが勧められることがありますが、これには明確な科学的根拠はありません。
産婦人科で扱うほかの病気
国家試験での出題
医療系の国家試験で、この病気に関係して出題された過去問です(学生・受験生向け)。
出典
参考: MSD Manuals 家庭版(日本語)(出典の事実をもとに medimichi が患者向けに再構成)
受診の目安の出典:MedlinePlus: Miscarriage / NICHD: What are the symptoms of pregnancy loss?(2026-10-13 確認)
この記事は一般的な医療情報の解説で、診断・治療を目的としたものではありません。気になる症状があるときは、自己判断せず医療機関を受診してください。緊急時は 119 / 医療機関へ。