病気の解説
アトピー性脊髄炎
受診の目安
- アトピー性皮膚炎、気管支喘息、アレルギー性鼻炎などがある方で、手足のジンジンするしびれ、感覚の鈍さ、痛み、手足の動かしにくさ、尿の出にくさが続くときは、脳神経内科を受診してください。この病気が疑われるときは脳神経内科への相談が勧められています(難病情報センター 病気の解説)。
- アトピー性脊髄炎と診断されている方は、症状が落ち着いていても定期的に受診して経過をみることが大切とされています(難病情報センター よくある質問と回答)。
手足のしびれや動かしにくさは、ほかの脊髄や神経の病気でも起こり、症状だけで病名は判断できません。似た病気を除外することが診断で大切とされています(難病情報センター よくある質問と回答)。自己判断せず、医師の診察を受けてください。
基本
アトピー性脊髄炎とは
アトピー性脊髄炎は、アトピー性皮膚炎・気管支喘息・アレルギー性鼻炎や結膜炎など、アレルギーを起こしやすい体質(アトピー素因)がある人に、まれに起こる脊髄の炎症です(難病情報センター 病気の解説)(難病情報センター 診断・治療指針)。首の部分の脊髄(頚髄)が主に侵されることが多く、多発性硬化症や視神経脊髄炎とは区別される病気です(難病情報センター 診断・治療指針)。
日本では指定難病(116)です。2023年の全国調査では国内の患者さんは数百人と推定され、男女ともにみられ、平均の発症年齢は33歳とされています(難病情報センター 病気の解説)。アレルギーの体質がある人でも、発症するのはごくまれです(難病情報センター よくある質問と回答)。
主な症状
- 喘息やアトピー性皮膚炎などのアレルギーの病気が悪くなった後に起こることが多いとされています(難病情報センター 病気の解説)。
- 手足のジンジンする感じやしびれ(異常感覚)、感覚の鈍さが多くの患者さんにみられます(難病情報センター 病気の解説)(難病情報センター 診断・治療指針)。
- 神経の痛み、手足の動かしにくさ(まひ)がみられることもあります(難病情報センター 診断・治療指針)。
- 尿が出にくいなど、排尿・排便の障害がみられる人もいます(難病情報センター 病気の解説)(難病情報センター 診断・治療指針)。
- 病気が進むと、しびれや痛みが強くなったり、手足のまひで歩きにくくなったりすることがあります(難病情報センター 病気の解説)。
多くは数日〜数週間ほどで症状が出てきますが、ゆっくり出てくる人もいます。良くなったり悪くなったりをくり返す人が多いとされています(難病情報センター 診断・治療指針)。
原因
はっきりした原因はわかっていませんが、アレルギーの働きが関係していると考えられています(難病情報センター 病気の解説)。患者さんの約2割には、痛みを伝える神経に対する自己抗体(抗plexin D1抗体)がみられ、発症に関わっていると考えられています(難病情報センター 病気の解説)。遺伝する病気とは考えられていませんが、一部の患者さんに特徴的な体質(HLAの型)がみられるとされています(難病情報センター 病気の解説)。
検査と診断
検査・診断
脊髄のMRI検査(約半数で病変が見つかる)、神経の伝わり方を調べる検査(誘発電位検査)、血液でのアレルギー(特定の物質に対するIgE抗体)の検査、髄液の検査などを行います(難病情報センター 診断・治療指針)。診断は、厚生労働省の指定難病の診断基準(2026年改訂)を参考に、主治医が症状や検査結果を総合して行います(難病情報センター よくある質問と回答)。似た症状の病気を除外することが大切で、診断基準を満たしても別の病気と判断されることもあります(難病情報センター よくある質問と回答)。
治療
治療
- 主な治療は、副腎皮質ステロイドの点滴や飲み薬、免疫抑制薬、免疫グロブリン(血液からつくる薬)の点滴、血液をきれいにする血漿交換です(難病情報センター 病気の解説)。ステロイドで効果が不十分なときは血漿交換が検討されます(難病情報センター 病気の解説)。
- 8〜9割の患者さんで治療の効果がみられるとされていますが、それぞれの治療には副作用もあるため、よく相談して選びます(難病情報センター 病気の解説)。
- 神経の痛みに対する薬が使われることもあります(難病情報センター 診断・治療指針)。
- 一度の治療で完全に良くなるわけではないため、定期的な受診で経過をみることが大切です(難病情報センター よくある質問と回答)。
日常生活の注意
アレルギーのある人に起こりやすい病気のため、アトピー性皮膚炎や喘息などのアレルギーの病気をよく治療しておくことが大切とされています(難病情報センター 病気の解説)。日常生活の注意は、担当の医師の指示を優先してください。
経過と生活
経過
初めは日常生活にあまり影響しない軽いしびれや痛みのことが多いですが、年月とともに悪くなり、車いすが必要になる人もいます。ただし、重症になる人は比較的まれとされ、早く治療を始めることで進行を遅らせられる可能性があります(難病情報センター 病気の解説)。一方で、長い経過のあとも完全には治らず、後遺症が残る人も少なくないとされています(難病情報センター 診断・治療指針)。
脳神経内科で扱うほかの病気
出典
難病情報センター「アトピー性脊髄炎(指定難病116)」病気の解説 / 難病情報センター「アトピー性脊髄炎(指定難病116)」診断・治療指針 / 難病情報センター「アトピー性脊髄炎」よくある質問と回答
内容の確認日:2026-10-16(次回確認予定 2027-04-16)。複数の公的情報源の事実をもとに medimichi が独自にまとめています。
この記事は一般的な医療情報の解説で、診断・治療を目的としたものではありません。気になる症状があるときは、自己判断せず医療機関を受診してください。緊急時は 119 / 医療機関へ。