病気の解説
ロウ症候群
受診の目安
ロウ症候群では、中枢神経症状として運動発達・精神発達の遅れやけいれん、行動異常がみられることがあります。症状が強くなる・日常生活に支障が出る・経過や治療に不安があるときは、腎臓内科に相談してください。通院中の方は自己判断で治療を中断しないでください。
基本
概要
ロウ症候群は先天性白内障・中枢神経症状・腎症状を特徴とする遺伝性の病気です。腎機能障害が進行性で、末期腎不全へ至ることがあります。眼・中枢神経・腎の3つの系で症状が現れます。
主な症状
眼には生まれつきの白内障がみられ、半数程度で重度の緑内障がみられることがあります。中枢神経症状として運動発達・精神発達の遅れやけいれん、行動異常がみられることがあります。腎症状としてファンコニー症候群に伴う再吸収障害が起き、低分子蛋白も大量に尿中へ漏れます。腎機能障害は徐々に進行し、年齢とともに末期腎不全に至ることがあります。歯列異常や歯肉増殖、顎の発育不全、噛み合わせの異常もみられることがあります。女性の保因者は眼の白濁が微細に認められることがあります。
原因
OCRL遺伝子の異常が原因とされ、酵素活性の低下によりイノシトールリン脂質が蓄積します。これが腎臓での物質再吸収障害などに関与すると考えられています。眼症状や中枢神経症状の機序は分かっていません。
病態
OCRL遺伝子異常により、phosphatidylinositol (4,5) bisphosphate 5 phosphataseという酵素が影響を受け、イノシトールリン脂質の蓄積が生じるため、細胞の骨格維持や細胞膜の物質輸送に異常が生じると考えられます。その結果、腎臓での再吸収障害が起きます。眼や中枢神経症状の詳しい機序は不明です。
リスク因子
この病気はX染色体連鎖型遺伝であり、性別にかかわらず遺伝する可能性があります。男性は変異があると発症することがあり、女性は保因者として遺伝する場合があります。親に変異がなくても子どもに遺伝する場合や、保因者となる場合があります。
検査と診断
検査
遺伝子診断の有無は主治医と相談して決めることが推奨される場合があります。指定難病制度における診断や研究への情報提供につながることもあります。
治療
治療
眼の治療として生後早期の白内障手術や視力補助、緑内障の治療があります。中枢神経症状には抗けいれん薬など、発達遅れには言語療法・作業療法が勧められます。腎症状には補充療法としてファンコニー症候群による低分子蛋白等の喪失分を補い、腎機能が低下した場合は対症療法を行います。末期腎不全時には腎代替療法の検討が必要ですが、個々の状況により異なります。歯列異常には口腔ケアや矯正が考慮されます。
経過と生活
生活上の注意
日常生活ではけいれん発作に注意が必要で、視力障害に対する眼鏡等の使用が求められます。継続した医療機関受診と内服の継続が重要です。
経過・予後
長期的には腎不全が生命に関わる要因となることがあるとされています。腎代替療法の適用には個人差があり、予後には個別性が高いです。呼吸器感染症やけいれん発作による死亡例も報告されています。
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出典
参考: 難病情報センター(出典の事実をもとに medimichi が患者向けに再構成)
この記事は一般的な医療情報の解説で、診断・治療を目的としたものではありません。気になる症状があるときは、自己判断せず医療機関を受診してください。緊急時は 119 / 医療機関へ。