病気の解説
前置胎盤
緊急性の高い症状
次のときはすぐに分娩予定の医療機関へ連絡し、受診してください。
- 妊娠中の性器出血や水っぽいものが流れ出るとき
- めまいや気が遠くなる感じがあるとき
- 強いお腹の痛みが治まらない、胎動が止まった・少なくなったとき
出典:Office on Women's Health (womenshealth.gov): Pregnancy complications、CDC Hear Her: Urgent Maternal Warning Signs
当てはまるときは、ためらわず 119 または救急外来へ。
受診の目安
- 妊娠中期から後期に痛みのない性器出血があったときは、量が少なくても、出血が止まったように見えても、すぐにかかっている産婦人科(分娩予定の施設)に連絡してください。
- 前置胎盤と診断されている人は、安静や入院について担当医の指示に従い、出血したときの連絡先と受診方法をあらかじめ確認しておきましょう。
- 出血のほか、お腹の張りや痛みが続く、破水したかもしれないときも同様に連絡してください。
症状だけで病名を見分けることはできません。気になる症状があれば自己判断せず、医療機関で診察を受けてください。
出典:Office on Women's Health (womenshealth.gov): Pregnancy complications、CDC Hear Her: Urgent Maternal Warning Signs
基本
概要
前置胎盤は、胎児の出口である子宮頸部の開口部を胎盤がふさぐ状態を指します。出血を伴うことがあるものの、必ずしも症状が出るわけではありません。診断には主に超音波検査が用いられ、妊娠中期~後期の検査や出血の有無で疑われます。胎児の位置や成長、胎盤と臍帯の状態などが影響することがあります。過去に前置胎盤の経験があると癒着胎盤のリスクが高まることがあります。これらの事柄は placent a accreta spectrum(PAS)として知られ、胎盤の付着の程度により異なる状態を含みます。
主な症状
前置胎盤があると痛みを伴わない性器出血が突然起こることがあります。出血は鮮紅色で大量になることがあり、母体と胎児の命に関わる状況になることもあります。子宮の収縮が生じることもあります。
リスク因子
過去に前置胎盤があり、帝王切開で分娩したことがある場合は、胎盤が子宮に強く付着する癒着胎盤のリスクが高まります。これらは胎盤付着異常(PAS)の一部として関連します。
検査と診断
診断
出血があった妊婦では、超音波検査が前置胎盤を疑う手がかりになります。第2トリメスターまたは第3トリメスターでの検査が役立ち、胎児の心拍数をモニタリングして胎児の酸素状態などを確認します。
治療
治療
治療には入院と床上安静、出血が止まれば36~37週での分娩が目安とされます。妊婦や胎児に問題があれば帝王切開での分娩となることがあります。出血が少量で妊娠36週以前に起こった場合は、病院で経過観察を行い、必要に応じて安静指示が出されます。性行為は出血のきっかけになることがあるため控えるように指示されることがあります。再出血があれば再入院し、分娩まで入院となることがあります。胎児の肺成熟を促すコルチコステロイドの投与を検討する専門家もいます。出血が大量で止まらない場合、胎児の心拍異常、母体の血圧低下などがある場合には早急に分娩が検討されます。
産婦人科で扱うほかの病気
国家試験での出題
医療系の国家試験で、この病気に関係して出題された過去問です(学生・受験生向け)。
出典
参考: MSD Manuals 家庭版(日本語)(出典の事実をもとに medimichi が患者向けに再構成)
受診の目安の出典:Office on Women's Health (womenshealth.gov): Pregnancy complications / CDC Hear Her: Urgent Maternal Warning Signs(2026-10-13 確認)
この記事は一般的な医療情報の解説で、診断・治療を目的としたものではありません。気になる症状があるときは、自己判断せず医療機関を受診してください。緊急時は 119 / 医療機関へ。