病気の解説

肩腱板断裂

別名:腱板断裂

まず相談する診療科整形外科
関係する症状肩の痛み・肩こり
この解説の項目7項目

受診の目安

肩腱板断裂では、肩を挙げる時の痛みや動かしづらさ、夜間痛による睡眠の妨げが主な症状です。こうした症状が続く・繰り返す・だんだん強くなるときや、不安があるときは、整形外科を受診してください。市販薬などで改善しないときも相談の目安です。

基本

概要

肩腱板断裂は、肩の腱板が骨と骨の間にはさまれ、老化も関係して中年以降に起きやすい病気です。主な訴えは肩の痛み(特に夜間の痛み)、肩を動かす時の痛みや力の入りにくさです。多くの人で肩を上げることは可能ですが、挙上時の軋轟音を感じることや棘下筋の萎縮がみられる場合には断裂を疑います。外傷が明らかでない場合も半数程度に上ります。発症年齢は60代にピークがあるとされ、右肩に多い傾向があると報告されています。

主な症状

肩を挙げる時の痛みや動かしづらさ、夜間痛による睡眠の妨げが主な症状です。肩を挙げると前肩の方で軋れる音を感じることがあり、挙上時に力が入りにくいこともあります。拘縮(関節が固くなる状態)は少ないとされ、五十肩とは違う点があります。

原因

腱板断裂の背景には、腱板が肩峰と上腕骨頭の間にはさまれている解剖や腱板の老化があり、中年以降の病気とされます。明らかな外傷によるものは半数程度で、日常生活動作の中で断裂が起きることもあります。男性の右肩に多いことから肩の使いすぎが関係していると推測されます。断裂は完全断裂と不全断裂に分かれます。若い人では投球肩で不全断裂が起こることがあります。

検査と診断

診断

診察では挙上の可否や拘縮の有無、挙上時の肩峰の下の軋轟音、棘下筋の萎縮を調べます。軋轟音や棘下筋の萎縮があれば腱板断裂が疑われます。レントゲンでは肩峰と肩甲骨の間が狭くなることがあり、MRIでは腱板部に断裂の所見が見られます。

治療

治療

急性の外傷で始まった場合は三角巾で1〜2週間安静にすることがあります。断裂部は完全には治癒しませんが、保存療法で軽快するケースが多いとされています。保存療法では注射と運動療法が行われ、夜間痛がある場合は肩関節周囲炎を併発していることがあるときに注射が選択されます。関節包内の炎症が落ち着けば注射の内容が変わることもあります。腱板の残っている部分を機能訓練で賦活させることが有効とされます。

手術・処置

保存療法で痛みや運動障害が改善しない場合には手術を検討します。手術には関節鏡視下手術と直視下手術の二つがあり、関節鏡は低侵襲ですが大きな断裂では縫合が難しく直視下手術を選ぶ場合もあります。術後は約4週間の固定と2〜3か月の機能訓練が必要です。

肩腱板断裂と関係する症状

症状のページでは、同じ症状が出るほかの病気や受診の目安も確認できます。

整形外科で扱うほかの病気

国家試験での出題

医療系の国家試験で、この病気に関係して出題された過去問です(学生・受験生向け)。

出典

参考: 日本整形外科学会(出典の事実をもとに medimichi が患者向けに再構成)

この記事は一般的な医療情報の解説で、診断・治療を目的としたものではありません。気になる症状があるときは、自己判断せず医療機関を受診してください。緊急時は 119 / 医療機関へ。