病気の解説
肺結核症
受診の目安
- せきやたんが2週間以上続くとき(厚生労働省)(結核予防会)
- 微熱や体のだるさが続くとき(厚生労働省)
- 体重が減る、食欲がない、寝汗をかくといった症状を伴うとき(結核予防会)(CDC)
- たんに血が混じる、血を吐く、息苦しさがあるとき(結核予防会)(CDC)
- 家族や職場など身近な人が結核と診断され、保健所から連絡があったとき(結核予防会)
相談先は内科・呼吸器内科です。結核の初期は症状が目立たず、かぜと見分けがつきにくいため、症状だけで病名を判断することはできません。高齢の方は気づかないうちに進むこともあるとされます(厚生労働省)。どこを受診すればよいかわからないときは、最寄りの保健所に相談できます(結核予防会)。
基本
肺結核症とは
結核は、結核菌という細菌によって起こる感染症です。腎臓、リンパ節、骨、脳などにも起こりますが、日本では多くが肺の結核です(結核予防会)。肺結核が進んで菌を外に出すようになった人がせきやくしゃみをすると、菌が空気中に飛び散り、それを周りの人が吸い込むことでうつります(厚生労働省)(結核予防会)。
日本でも、今なお毎年1万人以上が新たに結核と診断されています。新たな患者さんの多くは高齢の方です(厚生労働省)。
主な症状
- 長引くせき、たん(厚生労働省)(結核予防会)
- 微熱、体のだるさ(厚生労働省)
- 体重の減少、食欲の低下、寝汗(結核予防会)(CDC)
- 進むと、息苦しさ、血の混じったたん、喀血(血を吐く)が起こることがあります(結核予防会)(CDC)。
- 胸の痛みが出ることもあります(CDC)。
結核に特徴的な症状はなく、初めはかぜに似ています(厚生労働省)(結核予防会)。
原因・なりやすい要因
「感染」と「発病」は別のものです。菌を吸い込んでも、必ず感染するわけではありません。感染しても、多くの場合は体の免疫が菌を閉じ込め、病気を起こさないまま菌が体の中にとどまります。この状態を「潜在性結核感染症」と呼び、この段階では他の人にうつすことはありません(結核予防会)(CDC)。発病は感染から2年ほどの間に多いとされますが、何年、何十年たってから発病することもあります(結核予防会)。
発病しやすくなる要因として、年齢が高いこと、過労、栄養不足、免疫の低下(HIV感染、透析、移植後の免疫を抑える薬、生物学的製剤、ステロイドを使っている場合など)、コントロールの悪い糖尿病、喫煙が挙げられています(結核予防会)(CDC)。結核の患者さんが多い国で生まれた人や、そうした国との行き来が多い人もなりやすいとされます(CDC)(厚生労働省)。
検査と診断
診断
- 発病しているかを調べる検査:胸のX線検査を行い、異常があればCTで詳しく調べます。たんの中に結核菌がいるかを、顕微鏡での観察、培養(結果が出るまで数週間かかります)、遺伝子検査で調べます(結核予防会)(CDC)。
- 感染しているかを調べる検査:血液検査(IGRA)や、ツベルクリン反応検査があります。BCGを受けた人ではツベルクリン反応の判定が難しくなりますが、血液検査はBCGの影響を受けません(結核予防会)(CDC)。
結核と診断した医師は、法律(感染症法)に基づき、ただちに最寄りの保健所へ届け出ることになっています(厚生労働省)。その後、保健所が周りの人の健康診断(接触者健診)を計画します(結核予防会)。
治療
治療
- 薬による治療:複数(3〜4種類)の結核の薬を組み合わせて飲みます。標準的な治療期間は6か月から9か月で、医師の指示どおりに飲めば治る病気です(厚生労働省)(結核予防会)。
- 最後まで飲みきる:途中でやめたり、飲み忘れが多かったりすると、薬が効きにくい「耐性菌」になるおそれがあり、そうなると治療がずっと難しくなります(厚生労働省)(結核予防会)。国は、医療機関や保健所が服薬を見守り支える取り組み(DOTS)を進めています(厚生労働省)。
- 入院:たんの中に菌が多く出ている場合は、菌が出なくなるまで入院して治療するのが一般的です。それ以外は通院で治療できます(結核予防会)。
- 費用:治療費の一部が公費で負担される制度があります(結核予防会)。
- 潜在性結核感染症:発病を防ぐために、薬を飲む治療が行われることがあります(結核予防会)(CDC)。
経過と生活
予防
- BCG:日本では、予防接種法に基づく定期接種として、1歳になるまでに乳児にBCGを接種します。標準的な時期は生後5〜8か月とされています(結核予防会)。BCGは子どもの結核、とくに髄膜炎などの重い結核を防ぐ効果があるとされます(厚生労働省)(結核予防会)。
- 早めの受診:長引くせきなどがあれば早めに受診することが、自分の重症化を防ぎ、周りへの感染を防ぐことにつながります(厚生労働省)。
- せきエチケット:せきが出るときはマスクをする、口や鼻をおおうなどの配慮をします(結核予防会)。
- 健康管理:定期的な健康診断を受け、栄養・睡眠・運動に気をつけます(厚生労働省)(結核予防会)。
呼吸器内科で扱うほかの病気
出典
厚生労働省「結核」 / 厚生労働省 広報誌「長引く咳や体のだるさに隠れている『結核』を正しく知ろう」 / 厚生労働省「感染症法に基づく医師の届出」 / 結核予防会「よく聞かれる一般的なご質問」 / CDC「About Tuberculosis」
内容の確認日:2026-10-13(次回確認予定 2027-04-13)。複数の公的情報源の事実をもとに medimichi が独自にまとめています。
この記事は一般的な医療情報の解説で、診断・治療を目的としたものではありません。気になる症状があるときは、自己判断せず医療機関を受診してください。緊急時は 119 / 医療機関へ。