病気の解説
肺胞蛋白症
受診の目安
- 階段や坂道で以前より息が切れるようになり、それが続くとき
- せきやたんが長く続く、体重が減ってきたとき
- 健康診断の胸部X線やCTで「影がある」と言われたとき(症状がなくても、検診で偶然見つかることがあります)(日本呼吸器学会)
- 肺胞蛋白症と診断されている人で、熱が出た、せき・たんが増えた、息苦しさが強くなったとき(感染症に注意が必要とされます)(日本呼吸器学会)
相談先は呼吸器内科です。息切れやせきは多くの肺や心臓の病気でも起こるため、症状だけでこの病気かどうかを判断することはできません。
基本
肺胞蛋白症とは
肺の奥にある小さな袋「肺胞」の中に、本来は肺胞がつぶれないように働く物質(サーファクタント)に由来する、たんぱく質のような物質がたまってしまう病気です(日本呼吸器学会)(難病情報センター)。肺胞の掃除役である「肺胞マクロファージ」の働きが落ちることが関係しています(日本呼吸器学会)。たまった物質のために酸素を取り込みにくくなり、息切れなどが起こります。患者さんの少ない病気で、自己免疫性と先天性のものは国の指定難病になっています(難病情報センター)。
主な症状
- 体を動かしたときの息切れ(もっとも多い症状)
- せき、たん
- 体重の減少、発熱
(日本呼吸器学会)(難病情報センター)
症状がまったくない人もいて、健康診断などで偶然見つかることがあります(日本呼吸器学会)(難病情報センター)。画像検査で見える影の広がりの割には、症状が比較的軽いことが特徴とされます(難病情報センター)。
原因・なりやすい要因
原因によって、いくつかのタイプに分けられます(日本呼吸器学会)(難病情報センター)。
- 自己免疫性:大人の患者さんの9割を占めます。肺胞マクロファージの働きに必要な「GM-CSF」という物質に対する抗体(自己抗体)が体内で作られ、その働きを妨げることで起こります(日本呼吸器学会)。
- 続発性:血液の病気、感染症、膠原病などの病気や、粉じん・ガスの吸入に伴って起こります(日本呼吸器学会)(難病情報センター)。
- 先天性・遺伝性:生まれつきの遺伝子の異常によるもので、重いことが多いとされます(難病情報センター)(日本呼吸器学会)。
自己免疫性では、粉じんにさらされることが原因の一部になっていると推測されています(日本呼吸器学会)。
検査と診断
診断
胸部CTで特徴的な影がみられると、この病気が疑われます。気管支鏡で肺の中を洗った液(気管支肺胞洗浄液)や肺の組織を調べて確かめます(日本呼吸器学会)(難病情報センター)。自己免疫性かどうかは、血液中の抗GM-CSF抗体を測って判断します(日本呼吸器学会)(難病情報センター)。
治療
治療
- 経過観察:症状が軽い場合は、治療せずに様子をみることがあります(日本呼吸器学会)。
- GM-CSFの吸入:自己免疫性では、不足しているGM-CSFの働きを補う薬を吸入する治療が行われます(日本呼吸器学会)。
- 全肺洗浄:重い場合は、全身麻酔をかけて肺の中を洗い、たまった物質を取り除きます。くり返し必要になる人も多いとされます(日本呼吸器学会)(難病情報センター)。
- 肺移植:ほかの治療で良くならない場合に検討されることがあります(日本呼吸器学会)(難病情報センター)。
ステロイド薬の効果は一般に期待されないとされています(難病情報センター)。続発性では、もとの病気の治療も行います(難病情報センター)。
日常生活の注意
治療や生活については、主治医の指示を最優先にしてください。肺の掃除役の働きが落ちているため感染症に注意が必要で、たばこはやめることが望ましいとされています(日本呼吸器学会)。
経過と生活
経過
自己免疫性の経過は比較的良好とされ、5年生存率は96%と報告されています(日本呼吸器学会)(難病情報センター)。ただし、肺線維症を伴う場合は治りにくく、続発性や先天性のものは経過が良くないとされます(日本呼吸器学会)(難病情報センター)。
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出典
日本呼吸器学会「肺胞蛋白症」 / 難病情報センター「肺胞蛋白症(自己免疫性又は先天性)(指定難病229)」
内容の確認日:2026-10-13(次回確認予定 2027-04-13)。複数の公的情報源の事実をもとに medimichi が独自にまとめています。
この記事は一般的な医療情報の解説で、診断・治療を目的としたものではありません。気になる症状があるときは、自己判断せず医療機関を受診してください。緊急時は 119 / 医療機関へ。