病気の解説
腸チフス・パラチフス
緊急性の高い症状
- 熱があって具合がとても悪いとき、または意識がぼんやりする、息苦しい、下痢や嘔吐が続く、発疹、原因のわからない出血などがあるときは、すぐに医療機関を受診してください。
当てはまるときは、ためらわず 119 または救急外来へ。
受診の目安
海外(特に南アジアなど)から帰国したあとに発熱があるときは、必ず医療機関(内科・感染症内科など)を受診し、海外に行ったこと、渡航先・期間・現地での行動や飲食を伝えてください。腸チフスは感染してから熱が出るまで7〜18日ほどかかることが多く、帰国してしばらくたってから発症することがあります。
- 主な症状:39〜40℃にもなる熱が3日以上続く、だるさ、腹痛、頭痛、便秘や下痢、せき、食欲不振。
- 治療しないと熱が何週間も続いたり、重い合併症を起こしたりすることがあります。抗菌薬で治療するため、早めの受診が大切です。
- 症状が治まっても菌が残ることがあるため、治療は医師の指示どおりに続けてください。
帰国後の発熱はマラリアやデング熱などほかの感染症でも起こり、症状だけで病名は判断できません。
出典:厚生労働省検疫所FORTH「旅行から帰って」、CDC Typhoid Fever and Paratyphoid Fever: Signs and Symptoms
基本
概要
腸チフスとパラチフスは、それぞれチフス菌とパラチフスA菌という細菌によって引き起こされる感染症です。主に、これらの病原体に汚染された飲食物を摂取することで感染します。症状としては、発熱、頭痛、腹痛、下痢などがあり、重症化すると腸出血や腸穿孔といった危険な状態になることもあります。
主な症状
腸チフスやパラチフスの症状には、高熱、頭痛、腹痛、下痢が含まれます。これらの症状は、感染後7日から14日程度の潜伏期間を経て現れます。また、比較的徐脈(心拍数が遅くなること)、バラ疹(皮膚にできる発疹)、脾腫(脾臓の腫れ)も見られることがあります。重症の場合は、意識障害や難聴、腸出血、腸穿孔が起こることもあります。
原因
腸チフスとパラチフスの原因となる細菌は、サルモネラ属に属するチフス菌とパラチフスA菌です。これらの細菌は、感染した人や動物の糞便を介して環境中に広がり、汚染された飲食物を通じて人に感染します。
リスク因子
腸チフスとパラチフスは、特に衛生状態が悪い開発途上国で多く見られます。南アジアからの報告が特に多く、日本国内では年間数十例が報告されていますが、そのほとんどは海外からの輸入例です。
経過と生活
予防
腸チフスやパラチフスを予防するためには、食品を十分に加熱することや、調理器具や手指を清潔に保つことが重要です。また、手洗いをしっかり行うことも大切です。日本では腸チフス用のワクチンが承認されていますが、パラチフス用のワクチンはありません。
感染症内科で扱うほかの病気
出典
参考: JIHS(旧NIID)(出典の事実をもとに medimichi が患者向けに再構成)
受診の目安の出典:厚生労働省検疫所FORTH「旅行から帰って」 / CDC Typhoid Fever and Paratyphoid Fever: Signs and Symptoms(2026-10-13 確認)
この記事は一般的な医療情報の解説で、診断・治療を目的としたものではありません。気になる症状があるときは、自己判断せず医療機関を受診してください。緊急時は 119 / 医療機関へ。