病気の解説
膿胸
受診の目安
- 肺炎の治療中や治ったあとに、熱が下がらない、またぶり返したとき
- 深く息を吸ったりせきをしたりすると胸が痛むとき
- 息切れや息苦しさが出てきた、強くなってきたとき
- 胸の手術やけがのあとに、発熱や胸の痛みが続くとき
相談先は呼吸器内科(治療によっては呼吸器外科)です。息苦しさが強いときは、早めに医療機関に連絡してください。発熱・胸の痛み・息切れは、肺炎や胸膜炎、心臓の病気など多くの病気でみられるため、症状だけで病名を判断することはできません。
基本
膿胸とは
肺は、2枚の薄い膜(胸膜)に包まれています。膿胸は、この膜の間のすき間(胸膜腔)に細菌が感染し、膿がたまった状態です(日本呼吸器学会)。多くは肺炎などに続いて起こり(日本呼吸器学会)(MSDマニュアル家庭版)、比較的急に起こる「急性膿胸」と、長引いた「慢性膿胸」に分けられます(日本呼吸器学会)。
主な症状
- 急性膿胸:発熱と胸の痛みがみられます。膿の量が多いと、息苦しさも出てきます(日本呼吸器学会)。
- 胸の痛みの特徴:胸膜に炎症があると、深呼吸やせきで強くなる痛みが出ることがあります。痛みが首や肩、おなかの上のほうに感じられることもあります(MSDマニュアル家庭版)。
- 慢性膿胸:熱や痛みは目立たないことが多い一方、厚くなった胸膜が肺の動きを妨げ、息苦しさが出ることがあります(日本呼吸器学会)。
原因・なりやすい要因
原因となる細菌としては、口の中にふだんいる細菌や黄色ブドウ球菌などが多いとされます(日本呼吸器学会)。感染が胸膜腔に及ぶきっかけには、次のようなものがあります。
- 肺炎や肺膿瘍(肺の中にできた膿のかたまり)が広がる(日本呼吸器学会)(MSDマニュアル家庭版)
- 胸の手術やけが、食道が破れることに伴う感染(日本呼吸器学会)(MSDマニュアル家庭版)
- おなかの中の膿のかたまりからの感染(MSDマニュアル家庭版)
慢性膿胸は、結核による胸膜炎が長引いた場合や、急性膿胸が十分に治りきらなかった場合に起こることがあります(日本呼吸器学会)。
検査と診断
診断
胸部のレントゲンや超音波、CTで、胸の中にたまった液体や胸膜の厚みを確認します(日本呼吸器学会)(MSDマニュアル家庭版)。そのうえで、胸に細い針を刺して中の液体を採り(胸腔穿刺)、膿であることを確かめ、原因となっている細菌を調べます。原因菌を突き止めることは、効く薬を選ぶうえで重要とされます(日本呼吸器学会)。
治療
治療
- 膿を出す:胸に管(胸腔ドレーン)を入れて、たまった膿を外に出します(日本呼吸器学会)(MSDマニュアル家庭版)。
- 抗菌薬:原因の細菌に効く抗菌薬を使います(日本呼吸器学会)(MSDマニュアル家庭版)。
- 薬の注入:胸の中が癒着で仕切られて膿が出にくい場合、管から薬を入れて膿を流れやすくし、手術を避けられることがあります(MSDマニュアル家庭版)。
- 手術:これらで十分に良くならない場合や慢性膿胸では、胸腔鏡や開胸で、肺の表面をおおう厚い膜や膿を取り除く手術が行われることがあります(日本呼吸器学会)(MSDマニュアル家庭版)。
経過と生活
経過
治療がうまくいけば、一般に経過は良好とされます(日本呼吸器学会)。一方、長い経過をたどる慢性膿胸では、まれに悪性リンパ腫が発生することがあるとされ、長期的な経過観察が大切です(日本呼吸器学会)。胸膜の病気は、治療をしないと肺がつぶれたり、敗血症などの重い状態につながったりすることがあります(NHLBI)。
呼吸器内科で扱うほかの病気
出典
日本呼吸器学会「呼吸器の病気 膿胸」 / MSDマニュアル家庭版「胸水」 / NHLBI「Pleural Disorders」
内容の確認日:2026-10-13(次回確認予定 2027-04-13)。複数の公的情報源の事実をもとに medimichi が独自にまとめています。
この記事は一般的な医療情報の解説で、診断・治療を目的としたものではありません。気になる症状があるときは、自己判断せず医療機関を受診してください。緊急時は 119 / 医療機関へ。