病気の解説
高血圧緊急症
緊急性の高い症状
高血圧緊急症は、治療しなければ命に関わる状態で、入院してすぐに治療を始める必要があります(MSDマニュアル)(厚生労働省)。血圧がとても高いときに次のような症状があれば、様子をみたりせず、すぐに119番に連絡してください(NHLBI)。
- 突然の激しい頭痛、吐き気・嘔吐(厚生労働省)(NHLBI)
- 意識がぼんやりする、話がおかしい、けいれん(厚生労働省)(MSDマニュアル)
- 手足の片側に力が入らない・しびれる、ろれつが回らない(厚生労働省)(NHLBI)
- 急に目が見えにくくなる(厚生労働省)(NHLBI)
- 胸の痛み、背中の激しい痛み、急なお腹の痛み(厚生労働省)(NHLBI)
- 息苦しさ(厚生労働省)(NHLBI)
出典:厚生労働省「重篤副作用疾患別対応マニュアル 重症高血圧」、MSDマニュアル家庭版「高血圧」、NHLBI「High Blood Pressure – Symptoms」
当てはまるときは、ためらわず 119 または救急外来へ。
受診の目安
- 上の「緊急性の高い症状」が一つでもあれば、ためらわず救急要請(119番)をしてください(NHLBI)。
- 家庭で測った血圧がとても高く(上が180以上、または下が120以上が目安とされます)、症状がない場合は、少し安静にしてから測り直し、それでも高ければ当日中にかかりつけ医に連絡して指示を受けてください(NHLBI)(MSDマニュアル)。
- 血圧が上がりやすくなる薬を使い始めた後に、家庭血圧が急に高くなったときも、処方した医師に相談してください(厚生労働省)。
症状があるときの相談先は救急外来です。頭痛や胸の痛み、息苦しさは脳卒中や心筋梗塞など多くの病気で起こるため、症状だけで病名を判断することはできません。症状がなく血圧が高いだけの場合の相談先は、内科・循環器内科などのかかりつけ医です。
基本
高血圧緊急症とは
血圧が急に著しく上がり(多くは上が180mmHg以上、または下が120mmHg以上)、そのために脳・心臓・腎臓・大血管などの大切な臓器に急な障害が起こって進んでいく状態です(厚生労働省)(MSDマニュアル)。単に血圧が高いことではなく、臓器の障害が起きていることが特徴です。血圧が同じくらい高くても臓器の障害がない状態は「高血圧切迫症」と呼ばれ、区別されます(MSDマニュアル)。
高血圧緊急症に含まれる主な状態には、脳の働きが急に乱れる「高血圧性脳症」、脳卒中、急性心不全、心筋梗塞などの冠動脈の病気、大動脈解離、急に腎臓の働きが落ちる急性腎障害、腎臓や目の奥の血管が傷みながら急速に進む「加速型-悪性高血圧」などがあります(厚生労働省)(MSDマニュアル)。悪性高血圧は高血圧緊急症の一つの形です。
主な症状
高血圧そのものは、臓器の障害がなければ多くの場合症状がありません(厚生労働省)(NHLBI)。高血圧緊急症では、障害を受けた臓器によって次のような症状が現れます(厚生労働省)(MSDマニュアル)。
- 脳:頭痛、吐き気・嘔吐、見えにくさ、意識の乱れ、けいれん、手足の麻痺、話しにくさ
- 心臓:息苦しさ、胸の痛み、脈の乱れ
- 大動脈:胸や背中の痛み
- 腎臓:尿の量が減る
原因・なりやすい要因
- 高血圧の悪化:もともとある高血圧が十分に治療されていない、または悪化した場合に起こることがあります(NHLBI)(MSDマニュアル)。
- 薬の副作用:消炎鎮痛薬(NSAIDs)、甘草を含む漢方薬、ステロイド、免疫抑制薬、エストロゲンを含む薬、一部の抗がん剤(分子標的薬)などが、血圧を大きく上げることがあります。高齢、腎臓や肝臓の働きの低下、もともとの高血圧、多くの薬を飲んでいることが、なりやすい要因とされます(厚生労働省)。
- ホルモンの病気など:副腎の腫瘍(褐色細胞腫)などからのホルモンの過剰な分泌が原因になることがあります(厚生労働省)。腎臓の病気や、妊娠に伴う重い高血圧が関わることもあります(MSDマニュアル)。
検査と診断
診断
血圧をくり返し測るとともに、どの臓器に障害が起きているかを急いで調べます。血液検査や尿検査、心電図、胸部エックス線、目の奥(眼底)の診察などを行い、症状に応じて頭部CT・MRI、心臓超音波検査、造影CTなどを組み合わせます(厚生労働省)(MSDマニュアル)。使っている薬やサプリメントも確認されます(厚生労働省)。
治療
治療
- 入院して点滴で血圧を下げる:集中治療室などで、効き目を細かく調整できる点滴の降圧薬を使います(MSDマニュアル)。
- 下げ方に注意する:急に下げすぎるとかえって脳などに悪影響が出るおそれがあるため、医師が状態を見ながら段階的に下げていきます(MSDマニュアル)。
- 臓器ごとの治療:脳卒中、心不全、大動脈解離など、起きている状態に応じた治療を合わせて行います(MSDマニュアル)。
- 原因への対応:薬が原因と考えられる場合は、その薬の中止や変更が検討されます(厚生労働省)。
経過と生活
予防
医療機関の指示を優先してください。高血圧と言われている人は、治療を続けて血圧を管理することが大切です(NHLBI)。家庭で血圧を測る習慣をつけると、血圧の急な上昇に早く気づく手がかりになります。とくに血圧を上げる可能性のある薬を使っている人は、家庭血圧の測定が勧められています(厚生労働省)。
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出典
厚生労働省「重篤副作用疾患別対応マニュアル 重症高血圧」 / NHLBI「High Blood Pressure – Symptoms」 / MSDマニュアル家庭版「高血圧」・プロフェッショナル版「高血圧緊急症」
内容の確認日:2026-10-13(次回確認予定 2027-04-13)。複数の公的情報源の事実をもとに medimichi が独自にまとめています。
この記事は一般的な医療情報の解説で、診断・治療を目的としたものではありません。気になる症状があるときは、自己判断せず医療機関を受診してください。緊急時は 119 / 医療機関へ。