医療コラム

足底腱膜炎はどのくらいで治る?治らないときの次の選択肢

確認日 2026-10-18 / 更新日 2026-10-18

まず結論

足底腱膜炎は、ストレッチや靴の見直しなどの簡単な治療を始めた人の90%以上が、10か月以内に良くなるとされています(米国整形外科学会)。手術が検討されるのは、手術以外の治療を12か月しっかり続けても良くならない場合が一般的です(米国整形外科学会)。

自分での対処を2週間続けても良くならないときは受診の目安です(英国の公的医療情報)。治りにくいときは、理学療法や中敷き・夜間用の装具、注射、体外衝撃波治療などが検討されます(英国の公的医療情報・米国整形外科学会・MSDマニュアル プロフェッショナル版)。

すぐ受診が必要な症状

  • 足の痛みに胸の痛み・冷や汗・息切れ・動悸を伴う → 直ちに医療機関へ(MSDマニュアル家庭版「腕や脚の痛み」)
  • 突然ひどく痛み出した、足が冷たい・青白い、急なむくみが出た、痛む側の足に新しいしびれや力の入りにくさがある → 直ちに医療機関へ(同)
  • けがのあとにかかとが強く痛む、痛みで気が遠くなる・めまい・吐き気がする/足や足首の形が変わった、変な角度になっている/けがのときに「ポキッ」という音がした/歩けない、つま先立ちで歩けない、階段を上れない/ふくらはぎや足首が腫れて内出血がある → その日のうちに医療機関へ相談(英国の公的医療情報「Heel pain」)

上の2つは脚の痛み全般で注意すべき徴候(MSDマニュアル家庭版)、3つ目はかかとや足首の骨折の可能性がある症状として英国の公的医療情報が急ぎの相談を勧めるものです。骨折が疑われるときは自分で手当てしようとしないでください(同)。
※胸の痛みや息苦しさが強いとき、意識がおかしいときは、ためらわず救急車(119番)を呼んでください(medimichi の注記)。

当てはまるときは、ためらわず 119 または救急外来へ。

受診の目安

  • 痛みが強い、またはふだんの生活ができないほど痛む
  • 痛みがだんだん強くなる、またはくり返す
  • 自宅での対処を2週間続けても良くならない
  • 足にしびれや、感覚が鈍いところがある
  • 糖尿病があってかかとが痛む(足のトラブルが重くなりやすいため)

上の5つは英国の公的医療情報「Heel pain」が挙げる目安です。日本での相談先は整形外科です(medimichi の注記)。急に強いかかとの痛みが出て少し腫れているときは、足底腱膜が切れている(断裂)ことがあり、MRIなどの検査が行われることがあります(MSDマニュアル プロフェッショナル版)。

治るまでの目安を時間軸で見る

足底腱膜炎の経過の目安。2週間:自分での対処で良くならなければ受診。数か月:症状が残れば注射などを検討。10か月以内:簡単な治療を始めた人の90%以上が良くなる。12か月:手術以外の治療で良くならないときに手術を検討するのが一般的2週間自分での対処で良くならなければ受診の目安(英国の公的医療情報)数か月症状が残れば注射などを検討(米国整形外科学会)10か月以内簡単な治療を始めた人の90%以上が良くなる(同)12か月手術以外の治療で良くならないとき手術を検討するのが一般的(同)※治療を始めてからの目安。人によって異なります
図:経過の目安。英国の公的医療情報と米国整形外科学会の記載をもとに medimichi が作成。

米国整形外科学会は、ストレッチ・休養・靴や中敷きなどの簡単な治療を始めた人の90%以上が10か月以内に良くなるとしています。数か月たっても症状が残るときに注射などの治療が検討され、手術を考えるのは手術以外の治療を12か月しっかり続けても良くならない場合が一般的です(米国整形外科学会)。

出典に示されているのは上のような目安で、一人ひとりの治る時期を予測するものではありません。受診の目安に当てはまるときは、期間にかかわらず相談してください(medimichi の注記)。

良くならないときに見直したいこと

見直すこと出典の記載
痛みが強くなる運動を続けていないか痛みを強める活動を減らす・やめることが最初の段階とされる。ランニングなど足を打ちつける運動は休む必要があることがある(米国整形外科学会)
ストレッチを続けているかふくらはぎと足底腱膜のストレッチは、痛みを和らげる最も効果的な方法とされる。注射を受ける場合もストレッチを続けることが大切(米国整形外科学会)
靴がすり減っていないか支えのない靴、すり減った靴は避ける(米国整形外科学会)
硬い床を裸足で歩いていないか裸足で歩かない(英国の公的医療情報・MSDマニュアル家庭版)
長く立つ・歩く時間が多くないか長い時間の立ち歩きは避ける(英国の公的医療情報)
体重体重が多い場合は減量が勧められる(英国の公的医療情報・MSDマニュアル家庭版)

ストレッチのやり方は「足底腱膜炎のストレッチ」を見てください。

長引くときは、ほかの病気でないかも確認される

米国整形外科学会によると、医師は診察で、アキレス腱がかかとに付く部分の炎症、かかとの骨の疲労骨折、足の裏の神経の圧迫など、ほかの病気の症状がないことを確かめます。X線検査は骨折や関節炎を除外するのに役立ち、別の病気が心配なときはMRIが行われることがあります(米国整形外科学会)。

肥満や関節リウマチ、そのほかの関節炎が、足底腱膜炎を引き起こしたり悪化させたりすることもあります(MSDマニュアル家庭版)。

かかとの痛みのほかの原因と見分けの手がかりは「朝起きて一歩目にかかとが痛いのはなぜ?」にまとめています。自分で病名を決めず、医師の診察を受けてください。

次の治療の選択肢

自分での対処で良くならないときに医療機関で検討される治療を、medimichi が表にまとめました。どれを選ぶかは医師が判断します(medimichi の注記)。

治療内容出典の記載・注意
理学療法ふくらはぎと足底腱膜のストレッチを中心にした運動。冷却やマッサージなどを組み合わせることもある米国整形外科学会・英国の公的医療情報
中敷き・靴の指導、夜間用の装具足の専門職が中敷きや靴、夜に着ける装具を勧めることがある(英国の公的医療情報)夜間用の装具は慣れにくいが、かかとの痛みを減らすのに非常に効果的とされる(米国整形外科学会)
歩行用ブーツ・松葉づえ、ギプス短い期間、足を休ませる(米国整形外科学会)。ほかの方法で効果がないときにギプスを使うことがある(MSDマニュアル家庭版)治りにくい場合、手術の前に理学療法とギプス固定を行うべきとされる(MSDマニュアル プロフェッショナル版)
ステロイド注射炎症と痛みを抑える足底腱膜を弱めて断裂につながることがあり、回数を限る、または行わない医師もいる(米国整形外科学会・MSDマニュアル プロフェッショナル版)
多血小板血漿(PRP)注射自分の血液から取り出した成分を注射するステロイド注射ほどの断裂のリスクはないとされるが、費用が高く、効果を確かめる研究がさらに必要(米国整形外科学会)
ボツリヌス注射ふくらはぎに注射して筋肉をゆるめ、張りを減らす注射を受けてもストレッチは続けることが大切(米国整形外科学会)
体外衝撃波治療足に高エネルギーの衝撃波を当てる。切開はしない結果はまちまちで、有効かどうかははっきりしないため一般的には行われないが、リスクが低く手術の前に試されることがある(米国整形外科学会)。英国の公的医療情報もステロイド注射と並ぶ選択肢に挙げ、MSDマニュアル プロフェッショナル版は、治りにくい場合に、手持ちの機器で低い周波数の圧力波を当てる体外パルス活性化療法(EPAT)を試みてもよいとしている
超音波を使った組織の処置超音波画像で確かめながら細い器具を当て、傷んだ組織を取り除く長引く場合の、体への負担が小さい治療(米国整形外科学会)

日本で受けられる治療や費用・保険の扱いは、医療機関や条件によって異なります。受診先で確認してください(medimichi の注記)。

手術はどんなときに考えるか

手術が必要になることはまれで(MedlinePlus)、英国の公的医療情報も、手術の相談のために専門医を紹介されることは多くないとしています。米国整形外科学会は、90%以上が手術以外の治療で回復するため、手術は手術以外の治療を12か月しっかり続けても良くならない人に限るのが一般的としています。

手術の種類内容(米国整形外科学会)
足底腱膜の部分切離足底腱膜がかかとの骨に付く部分を一部切って張りをゆるめる。比較的大きく切開する方法と、小さな切開で内視鏡を使う方法がある。骨棘は痛みの原因ではないため、取り除くことは通常しない。手術後しばらくは体重のかけ方に注意が必要
ふくらはぎの筋肉を延ばす手術(腓腹筋の延長)ストレッチを十分続けても足首が曲げにくい人に。合併症は少ないが、足の外側の感覚を担う神経の損傷や、ふくらはぎの筋力低下が起こることがある

多くの人は手術で良い結果が得られるとされる一方、手術によって痛みが長引いたり満足できなかったりすることもあるため、手術以外の治療をすべて試したあとに勧められます(米国整形外科学会)。

ここから下は、医学的な説明ではなく、セルフケア用品の案内です。

出典・確認日

  • 米国整形外科学会 OrthoInfo「Plantar Fasciitis and Bone Spurs」(経過(90%以上・10か月以内)、数か月後に検討される治療、各治療の内容と注意(ステロイド・PRP・ボツリヌス・体外衝撃波・超音波処置)、手術の時期(12か月)・種類・合併症、診察で確かめるほかの病気、見直すこと)
  • 英国の公的医療情報(NHS)「Plantar fasciitis」(2週間の受診の目安、理学療法・足の専門職・夜間用装具・注射・体外衝撃波・手術は多くない、裸足・長時間の立ち歩き・減量。NHSの最終レビュー日 2025-02-14)
  • 英国の公的医療情報(NHS)「Heel pain」(すぐ受診が必要な症状・受診の目安。NHSの最終レビュー日 2025-10-24)
  • MSDマニュアル家庭版「足底腱膜炎」(ギプス、注射の回数、悪化させる病気(肥満・関節リウマチなど)、減量。2025年10月更新)
  • MSDマニュアル プロフェッショナル版「足底腱膜炎」(治りにくい場合の理学療法とギプス固定、体外パルス活性化療法、注射の制限、断裂)
  • MSDマニュアル家庭版「腕や脚の痛み」(脚の痛み全般で注意すべき徴候)
  • MedlinePlus「Heel Injuries and Disorders」(手術が必要になることはまれ)

「英国の公的医療情報」と記した部分: Contains public sector information licensed under the Open Government Licence v3.0.(英語の公的情報を日本語に翻訳・要約して含みます)

内容の確認日:2026-10-18/更新日:2026-10-18/次回確認予定:2027-04-18

医師による監修はありません。医学的な記載は上の公的機関・学会などの情報源に基づき、medimichi が独自にまとめています。この記事は一般的な医療情報で、診断や治療の代わりにはなりません。