医療コラム

足底腱膜炎でやってはいけないこと:裸足・急な運動・合わない靴

確認日 2026-10-18 / 更新日 2026-10-18

まず結論

足底腱膜炎で避けるよう勧められているのは、硬い床の上を裸足で歩くこと、長い時間立つ・歩くこと、ランニングなど足に衝撃がかかる運動、ハイヒール・先の細いきつい靴・ビーチサンダル・かかとのないスリッパです(英国の公的医療情報・MSDマニュアル家庭版・米国整形外科学会)。すり減って足を支えなくなった靴をはき続けることも避けるよう勧められています(米国整形外科学会)。

また、けがのあとの強い痛み・足の形の変化・歩けないときは骨折などの可能性があり、その日のうちに医療機関に相談してください(英国の公的医療情報)。急に強くかかとが痛み、軽く腫れているときは、足底腱膜が切れていることがあります(MSDマニュアル プロフェッショナル版)。

すぐ受診が必要な症状

  • 足の痛みに胸の痛み・冷や汗・息切れ・動悸を伴う → 直ちに医療機関へ(MSDマニュアル家庭版「腕や脚の痛み」)
  • 突然ひどく痛み出した、足が冷たい・青白い、急なむくみが出た、痛む側の足に新しいしびれや力の入りにくさがある → 直ちに医療機関へ(同)
  • けがのあとにかかとが強く痛む、痛みで気が遠くなる・めまい・吐き気がする/足や足首の形が変わった、変な角度になっている/けがのときに「ポキッ」という音がした/歩けない、つま先立ちで歩けない、階段を上れない/ふくらはぎや足首が腫れて内出血がある → その日のうちに医療機関へ相談(英国の公的医療情報「Heel pain」)

上の2つは脚の痛み全般で注意すべき徴候(MSDマニュアル家庭版)、3つ目はかかとや足首の骨折の可能性がある症状として英国の公的医療情報が急ぎの相談を勧めるものです。骨折が疑われるときは自分で手当てしようとしないでください(同)。
※胸の痛みや息苦しさが強いとき、意識がおかしいときは、ためらわず救急車(119番)を呼んでください(medimichi の注記)。

当てはまるときは、ためらわず 119 または救急外来へ。

受診の目安

  • 痛みが強い、またはふだんの生活ができないほど痛む
  • 痛みがだんだん強くなる、またはくり返す
  • 自宅での対処を2週間続けても良くならない
  • 足にしびれや、感覚が鈍いところがある
  • 糖尿病があってかかとが痛む(足のトラブルが重くなりやすいため)

上の5つは英国の公的医療情報「Heel pain」が挙げる目安です。日本での相談先は整形外科です(medimichi の注記)。急に強いかかとの痛みが出て少し腫れているときは、足底腱膜が切れている(断裂)ことがあり、MRIなどの検査が行われることがあります(MSDマニュアル プロフェッショナル版)。

控えたほうがよいことと、その代わりにできること

英国の公的医療情報・MSDマニュアル家庭版・米国整形外科学会が、足底腱膜炎で避ける、または減らすよう勧めていることを、medimichi が表にまとめました。

控えること出典が挙げている理由・記載代わりにできること
硬い床の上を裸足で歩く・立つ足底腱膜への負担と痛みを減らす手段として、裸足で歩かないことが挙げられている(MSDマニュアル家庭版)。英国の公的医療情報も、硬い床の上を裸足で歩かないよう勧めているかかとにクッションがあり、土踏まずを支える靴をはく(英国の公的医療情報)
長い時間立ち続ける・歩き続ける英国の公的医療情報が「しないこと」に挙げている。硬い床の上で長く立つ・歩く仕事の人に多い(MSDマニュアル家庭版・米国整形外科学会)休めるときは休み、足を台にのせて高くする(英国の公的医療情報)
ランニング・ダンス・ステップエアロビクスなど、足を地面に打ちつける運動痛みを強める活動を減らす・やめることが、痛みを減らす最初の段階とされる(米国整形外科学会)。ジョギングのように足に衝撃がかかる活動は避けるべきとされる(MSDマニュアル家庭版)水泳や自転車など、足への衝撃が少ない運動に切りかえる(米国整形外科学会・英国の公的医療情報)
運動量を急に増やす新しく始めた・増やした活動は、なりやすい要因の一つ(米国整形外科学会)。ふだん座っていることの多い人は、急に活動を増やしたときに起こりやすい(MSDマニュアル家庭版)運動の再開や増やし方は、医師や理学療法士に相談する(medimichi の注記)
運動中に足の裏を伸ばしすぎるなりやすい要因の一つとして挙げられている(英国の公的医療情報)英国の公的医療情報が勧めるのはやさしいストレッチ(やり方は「足底腱膜炎のストレッチ」)
ハイヒール、先の細いきつい靴英国の公的医療情報が避けるよう挙げている。かかとの高い靴をはく人にみられる(MSDマニュアル家庭版)かかとが低く、底がやわらかく、幅にゆとりのある靴(英国の公的医療情報「Heel pain」)
ビーチサンダル、かかとのないスリッパ英国の公的医療情報が避けるよう挙げている。ふだん座っていることの多い人は、サンダルなど支えの少ない靴をはいたときに起こることがある(MSDマニュアル家庭版)支えのある靴に、中敷きやヒールパッドを入れる(英国の公的医療情報)
すり減った靴、足を支えない靴をはき続ける米国整形外科学会が避けるよう勧めている運動靴は、すり減って足を支えなくなる前に替える(米国整形外科学会)

冷やし方・中敷きなど、自分でできる対処の全体は「日常生活の注意・セルフケア」にまとめています。

痛みを我慢して運動や薬を続けない

  • 英国の公的医療情報は、かかとの痛みに役立つ運動を紹介する際、運動中に痛みが出たり気分が悪くなったりしたら、すぐにやめるよう注意しています。
  • 痛みがだんだん強くなる、またはくり返すときは、受診の目安です(英国の公的医療情報)。
  • 米国整形外科学会は、イブプロフェンなどの非ステロイド性抗炎症薬を、かかりつけ医に相談せずに1か月をこえて使わないよう勧めています。
  • 市販の痛み止めは薬剤師に相談し、添付文書の用法・用量を守ってください(medimichi の注記)。

ステロイド注射をくり返すことの注意

手術以外の治療を数か月続けても症状が残るとき、ステロイド(コルチゾンなど)の注射が検討されることがあります(米国整形外科学会・英国の公的医療情報)。ただし、注射は次のような理由で回数が限られています。

出典記載の要点
MSDマニュアル家庭版回数が多すぎると、かかとのクッションになる脂肪(脂肪体)が薄くなり、足底腱膜も傷んで、かえって悪化することがある。通常は数回までとされる
米国整形外科学会足底腱膜を弱めて断裂につながり、足のアーチが平らになったり痛みが長引いたりすることがある。そのため回数を限る、または行わない医師もいる
MSDマニュアル プロフェッショナル版断裂の素因になるため、多くの医師が注射を制限している

注射を受けるかどうか、何回まで受けるかは、これまでに受けた注射の回数を伝えたうえで医師と相談してください(medimichi の注記)。

急に強く痛んだら:断裂の可能性

急に強いかかとの痛みが出て、軽く腫れているときは、足底腱膜が急に切れた(断裂した)ことを示している場合があり、疑われるときはMRI検査が行われます(MSDマニュアル プロフェッショナル版)。けがのときに音がした、歩けない、足の形が変わったといった場合は、上の「すぐ受診が必要な症状」を見てください(英国の公的医療情報)。

このようなときは、ストレッチや運動で様子を見ずに、整形外科を受診してください(medimichi の注記)。

ここから下は、医学的な説明ではなく、セルフケア用品の案内です。

出典・確認日

  • 英国の公的医療情報(NHS)「Plantar fasciitis」(避けること(長時間の立ち歩き・ハイヒール・先の細い靴・ビーチサンダル・かかとのないスリッパ・硬い床での裸足)、なりやすい要因、代わりの対処、注射の選択肢。NHSの最終レビュー日 2025-02-14)
  • 英国の公的医療情報(NHS)「Heel pain」(すぐ受診が必要な症状・受診の目安・勧められる靴・運動中に痛んだらやめる注意。NHSの最終レビュー日 2025-10-24)
  • 米国整形外科学会 OrthoInfo「Plantar Fasciitis and Bone Spurs」(痛みを強める運動を減らす・衝撃の少ない運動、すり減った靴、痛み止めの使用期間、ステロイド注射と断裂、なりやすい要因)
  • MSDマニュアル家庭版「足底腱膜炎」(裸足・衝撃のかかる活動を避ける、かかとの高い靴やサンダル、急な活動の増加、ステロイド注射の回数。2025年10月更新)
  • MSDマニュアル プロフェッショナル版「足底腱膜炎」(急な強い痛みと断裂・MRI、注射の制限)
  • MSDマニュアル家庭版「腕や脚の痛み」(脚の痛み全般で注意すべき徴候)

「英国の公的医療情報」と記した部分: Contains public sector information licensed under the Open Government Licence v3.0.(英語の公的情報を日本語に翻訳・要約して含みます)

内容の確認日:2026-10-18/更新日:2026-10-18/次回確認予定:2027-04-18

医師による監修はありません。医学的な記載は上の公的機関・学会などの情報源に基づき、medimichi が独自にまとめています。この記事は一般的な医療情報で、診断や治療の代わりにはなりません。