左心不全でみられる症状はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第111回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
左心不全では、左心室のポンプ機能が低下し、肺から左心房への血液の戻りが滞るため、肺うっ血や肺水腫を来します。これにより呼吸困難が生じ、特に横臥位で増悪するため、患者は座った姿勢(起坐位)で呼吸が楽になる『起坐呼吸』を示すのが特徴です。
選択肢ごとの解説
- 1. 肝臓の腫れは、主に右心不全によって引き起こされる症状です。右心機能が低下すると、全身からの血液が心臓に戻りにくくなり、うっ血が肝臓に及びます。正しくは:右心不全でみられる症状です。選びやすい理由:心不全全体で見られる症状という誤解を招く可能性があります。混同注意:右心不全と左心不全の症状の区別が曖昧な場合に混同しやすいです。
- 2. 下肢のむくみ(浮腫)は、主に右心不全の症状です。右心機能の低下により、全身の静脈圧が上昇し、組織間液が増加して浮腫が生じます。正しくは:右心不全でみられる症状です。選びやすい理由:「心不全=むくみ」という一般的なイメージから選んでしまう可能性があります。混同注意:全身性浮腫の発生機序が右心不全と結びつきにくい場合に選びやすいです。
- 3. 正解。左心不全では、肺に血液がうっ滞するため、肺水腫を引き起こしやすくなります。横になると肺のうっ血が増悪し、呼吸困難が強まるため、患者は座った姿勢(起坐位)で呼吸する方が楽に感じます。これが起坐呼吸です。正しくは:左心不全の典型的な症状です。選びやすい理由:呼吸困難の症状として認識しやすいですが、特に「座った姿勢で楽になる」という点が重要です。混同注意:単なる呼吸困難と混同することがあるかもしれませんが、体位によって増減する点が鑑別点です。
- 4. 首の静脈が拡張し、怒張している状態(頸静脈怒張)は、主に右心不全の症状です。右心機能低下により、上大静脈系のうっ血が生じるためです。正しくは:右心不全でみられる症状です。選びやすい理由:「心不全=体液貯留」という連想から、頸静脈のうっ滞も心不全の症状であると考える可能性があります。混同注意:体液貯留の兆候として右心不全の症状と誤解しやすいです。
国試ポイント
心不全における左心不全と右心不全の鑑別症状を理解しているかが問われています。特に肺うっ血や全身うっ血の原因と、それによって生じる具体的な症状を正確に把握することが重要です。
混同注意
心不全の症状は多岐にわたるため、左心不全と右心不全のどちらに起因する症状かを明確に区別することが求められます。特に全身性の浮腫や肝腫大、頸静脈怒張は右心不全、肺うっ血による呼吸器症状は左心不全と結びつけて覚える必要があります。
次に同じ論点が出たら
左心不全の病態生理を深く理解し、身体診察でどのような所見が得られるかを想像できるようになることが次のステップです。
関連知識
左心不全の他の症状には、労作時の呼吸困難、夜間発作性呼吸困難、ピンク色の泡沫状痰(肺水腫時)などがあります。右心不全の他の症状には、腹水、体重増加、食欲不振などがあります。心臓のポンプ機能低下による前方性不全症状(全身倦怠感、冷汗など)は、両者に共通して見られることがあります。