全般性不安障害で正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第59回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
全般性不安障害は、特定の原因を持たない漠然とした持続的な不安が特徴で、疫学的に男性よりも女性に多くみられることが知られています。また、慢性的な経過をたどりやすく、自律神経症状を伴い、環境ストレスによって症状が増悪し、他の精神疾患(特にうつ病や他の不安障害)との併存も頻繁に見られます。
選択肢ごとの解説
- 1. 全般性不安障害は、その名の通り様々な事柄に対して漠然とした不安が持続し、症状が長期にわたりやすい慢性的な経過をたどる疾患とされています。正しくは:全般性不安障害は、症状が慢性化しやすい傾向があります。選びやすい理由:「不安」という言葉から、一時的なストレス反応と混同し、時間が経てば自然に治る、あるいは慢性化しにくいと誤解する可能性があります。混同注意:一過性のストレス反応や、特定の対象にのみ不安が生じる他の恐怖症(例:特定の恐怖症)と、症状の持続性について混同するかもしれません。
- 2. 正解。疫学的に、全般性不安障害の生涯有病率は女性が男性の約2倍とされており、性差があることが知られています。
- 3. 全般性不安障害の症状には、精神的な不安だけでなく、動悸、発汗、手の震え、呼吸促迫、消化器症状、頭痛など、自律神経系の過活動に起因する身体症状が多く含まれます。正しくは:全般性不安障害では、自律神経系の過活動による身体症状がよく認められます。選びやすい理由:パニック障害のように劇的な発作性の自律神経症状ではないため、自律神経症状が全くない、あるいは目立たないと誤解する可能性があります。混同注意:パニック障害ほど急性期に強い自律神経発作がないため、自律神経症状自体がないと勘違いする可能性があります。また、身体表現性障害など、身体症状が中心となる他の疾患と症状の性質を混同する可能性もあります。
- 4. 全般性不安障害の症状は、日常生活におけるストレス、環境の変化、人間関係の困難な状況などによって悪化したり軽減したりと、その消長に環境要因が大きく影響を及ぼします。正しくは:症状の増減には、環境要因が影響します。選びやすい理由:不安そのものが内因性であると誤解し、外部要因の影響を受けにくいと考えるかもしれません。混同注意:内因性精神疾患(例:統合失調症の一部)のように、環境要因の影響が少ない、あるいは原因が身体的なものと誤解する可能性があります。
- 5. 全般性不安障害は、うつ病、他の不安障害(社会不安障害、パニック障害など)、物質関連障害、身体表現性障害など、他の精神疾患と高い確率で併存することが知られています。正しくは:他の精神疾患と同時に発症することがよくあります。選びやすい理由:一つの診断がつけばそれ以外の疾患はないと単純に考えてしまう傾向があるかもしれません。混同注意:単一の診断基準に基づいて診断されるべきであるという診断学の原則と混同し、複数の診断が同時に成り立つことを否定する可能性があります。
国試ポイント
全般性不安障害の疫学(性差)、経過(慢性化の有無)、症状の特徴(自律神経症状の有無、環境要因の影響)、および合併症(併存疾患)に関する基本的な知識が問われています。それぞれの選択肢で述べられている内容が全般性不安障害の特徴と一致するか否かを正確に判断できるかが鍵となります。
混同注意
全般性不安障害は、パニック障害、社会不安障害、特定の恐怖症など、他の不安障害との鑑別や類似点・相違点が混同しやすい点です。特に、身体症状の有無や重症度、不安の対象が特定されるか否か、慢性経過の有無などがポイントとなります。
次に同じ論点が出たら
次に同様の論点が出題された場合、全般性不安障害の診断基準(不安の持続期間を含む)、主要な症状(精神症状と身体症状の両方)、鑑別診断、治療の第一選択薬について確認する。特にDSM-5における不安障害の分類全体を理解しているかが重要です。
関連知識
不安障害の分類(DSM-5による)、各不安障害の診断基準と主な症状、疫学(性差、有病率)、治療法(薬物療法、精神療法)に関する包括的な知識が求められます。特に、全般性不安障害においては、不眠、集中困難、易疲労感などの症状も重要です。