次の文で示す病証の治療原則で最も適切なのはどれか。「慢性の眩暈と頭痛、目の充血、のぼせ、腰がだるく力が入らない。脈は弦細数を認める。」
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:公益財団法人東洋療法研修試験財団ホームページ(過去の試験問題等)。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
問題文の症例は、慢性の眩暈、頭痛、目の充血、のぼせなど肝陽上亢の症状と、腰のだるさ、力の入らなさなど腎陰虚の症状が混在しています。脈診の弦細数も肝陽上亢と陰虚熱の所見です。この病証は虚実夾雑であり、肝腎陰虚による肝陽上亢と認識され、病の本質である虚(腎陰虚)を補い、同時に病の現象である実(肝陽上亢)を瀉する「補虚瀉実」が最も適切な治療原則となります。
選択肢ごとの解説
- 1. 本症例には虚証(腎陰虚)も認められるため、実証のみを対象とする「瀉実」は不適切です。 正しくは:この症例のように虚実が混在する場合は「補虚瀉実」が適切です。実証のみが明らかであれば「瀉実」が適切です。
- 2. 「急則治標」は病状が急迫しており、生命の危機や症状緩和が最優先される場合に用いられる原則です。本症例は「慢性」であり、急迫した病状を示していません。 正しくは:本症例は慢性病であるため、病の根本である本治を優先するべきです。急性の病態で症状緩和が最優先される場合に「急則治標」が用いられます。
- 3. 正解。問題文の症例は、慢性的な経過で、目の充血、のぼせ、眩暈、頭痛といった肝陽上亢の「実証」症状と、腰のだるさ、力の入らなさ、脈の弦細数といった腎陰虚の「虚証」症状が同時に見られます。これは虚実夾雑の病証であり、虚している部分を補い、実している部分を瀉する「補虚瀉実」が最も適切な治療原則です。
- 4. 「因地制宜」は、地理的環境(地域、気候など)や生活習慣の違いによって治療法を適切に調整する原則です。本症例は治療原則を問うものであり、治療法の地域差を考慮する場面ではありません。 正しくは:この症例は病証に対する治療原則を問うものであり、「因地制宜」は地域や季節の環境因子を考慮する際に用いられます。
国試ポイント
中医学の治療原則、特に虚実夾雑病証の治療原則(補虚瀉実)を理解し、典型的な症例と結びつけて判断できるか。
混同注意
「補虚瀉実」は「瀉実補虚」とは異なります。本症例のように、病の本質が虚で実証がそれに伴って現れている場合は「補虚瀉実」が適切です。まず虚を補うことで実邪が根絶されやすくなります。
次に同じ論点が出たら
同様の問題が出た場合、まず症例の症状から虚証(特に陰虚)と実証(特に陽亢や熱)のどちらの要素が強いか、あるいは両者が混在しているかを見極めます。本症例のように慢性経過で虚証の症状と実証の症状がともに認められる場合は、虚実夾雑と判断し、その中で補虚瀉実が適切かを検討します。
覚え方
同様の問題が出た場合、まず症例の症状から虚証(特に陰虚)と実証(特に陽亢や熱)のどちらの要素が強いか、あるいは両者が混在しているかを見極めます。本症例のように慢性経過で虚証の症状と実証の症状がともに認められる場合は、虚実夾雑と判断し、その中で補虚瀉実が適切かを検討します。
対になる知識
「補虚瀉実」は「瀉実補虚」とは異なります。本症例のように、病の本質が虚で実証がそれに伴って現れている場合は「補虚瀉実」が適切です。まず虚を補うことで実邪が根絶されやすくなります。
関連知識
中医学の治療原則には、扶正祛邪、標本兼治、同病異治、異病同治などがあります。これらを各病証と関連付けて理解することが重要です。特に虚実夾雑の病証では、虚実のどちらが主であるか、緊急性があるかなどを判断し、適切な原則を選択する必要があります。