次の文で示す病証でみられる痛みの性質はどれか。「53歳の男性。主訴は肩関節痛。過労により食欲減退が続き、倦怠感とともに肩が痛みだした。痛みは慢性に経過し、息切れ、自汗を伴う。舌質は淡、舌苔は薄白、脈は細弱を認める。」
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:公益財団法人東洋療法研修試験財団ホームページ(過去の試験問題等)。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
問題文の症例は、過労による食欲減退、倦怠感、息切れ、自汗、淡い舌質、薄い白舌苔、細弱の脈といった所見から、気虚の病態と判断できます。気虚による痛みは、温めると軽減し、労作によって悪化する慢性的な痛みが特徴で、その性質は「隠痛」と表現されます。隠痛は、痛む場所がはっきりせず、内側に隠れているような鈍い痛みを指します。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。問題文の所見(過労、倦怠感、息切れ、自汗、舌質淡、脈細弱)は気虚の典型的な症状であり、気虚による痛みは、鈍く痛む場所が定まらない「隠痛」として表現されます。
- 2. 刺痛は、血瘀による痛みの性質です。問題文には血瘀を示す瘀血斑、舌下静脈怒張などの所見は認められません。 正しくは:血瘀による痛みの性質は刺痛である。気虚による痛みは隠痛である。
- 3. 脹痛は、気滞による痛みの性質です。問題文に気滞を示す症状(胸脇苦満、憂鬱感、イライラなど)は記載されていません。 正しくは:気滞による痛みの性質は脹痛である。気虚による痛みは隠痛である。
- 4. 重痛は、湿邪による痛みの性質です。問題文に湿邪を示す症状(浮腫、からだが重だるい、舌苔の厚膩など)は認められません。 正しくは:湿邪による痛みの性質は重痛である。気虚による痛みは隠痛である。
国試ポイント
中医学における臓腑弁証と痛みの性質の関連を理解し、特に気虚による痛みの特徴を把握することが重要です。
混同注意
気虚の「隠痛」は、血瘀の「刺痛」や、湿邪の「重痛」と混同しやすいですが、それぞれ発生機序と伴う症状が異なります。隠痛は労作により悪化し、休息により軽減する特徴があります。
次に同じ論点が出たら
同様の問題が出た場合、まず病因病機を特定するために、問題文中の全身症状(倦怠感、自汗、息切れなど)や舌脈所見(淡舌、細弱脈など)から弁証を行い、その病態に合致する痛みの性質を選択します。
覚え方
同様の問題が出た場合、まず病因病機を特定するために、問題文中の全身症状(倦怠感、自汗、息切れなど)や舌脈所見(淡舌、細弱脈など)から弁証を行い、その病態に合致する痛みの性質を選択します。
対になる知識
気虚の「隠痛」は、血瘀の「刺痛」や、湿邪の「重痛」と混同しやすいですが、それぞれ発生機序と伴う症状が異なります。隠痛は労作により悪化し、休息により軽減する特徴があります。
関連知識
中医学における痛みの性質には、隠痛(気虚)、刺痛(血瘀)、脹痛(気滞)、重痛(湿邪)、灼痛(熱邪)、冷痛(寒邪)などがあり、それぞれ特定の病因病機と関連しています。各痛みの性質と代表的な随伴症状をセットで覚えることが肝要です。