「60歳の女性。数年前から左手の振戦を生じ、次第にすくみ足、寡動を認めるようになり、近医にて診断を受け、投薬が開始された。」 最もよくみられる症候はどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:公益財団法人東洋療法研修試験財団ホームページ(過去の試験問題等)。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
パーキンソン病の仮面様顔貌は、顔面筋の固縮と運動緩慢により表情が乏しくなることで生じます。これは錐体外路系の障害によってドパミン作動性神経の変性が起こり、表情筋の自発的運動が障害されるため、最もよくみられる症候の一つです。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。パーキンソン病では、顔面筋の固縮と運動緩慢により表情筋の動きが著しく低下し、感情表現に乏しい仮面様顔貌を呈することが非常に多いです。これは本疾患の代表的な症候の一つであり、患者さんの生活の質に大きな影響を与えます。
- 2. 測定障害は小脳失調症の主要な症候であり、パーキンソン病では通常みられません。パーキンソン病では運動緩慢や固縮が主体で、協調運動障害とは異なります。 正しくは:測定障害は小脳失調症の症候である。
- 3. 眼瞼下垂は重症筋無力症や動眼神経麻痺などでみられる症候であり、パーキンソン病の代表的な症候ではありません。パーキンソン病では瞬目減少(まばたきの回数が減る)がみられることはありますが、眼瞼下垂とは異なります。 正しくは:眼瞼下垂は重症筋無力症や動眼神経麻痺の症候である。パーキンソン病では瞬目減少が見られることがある。
- 4. 痙縮は上位運動ニューロン障害、例えば脳卒中や脊髄損傷などでみられる筋の過緊張であり、パーキンソン病でみられるのは固縮です。固縮は歯車現象や鉛管現象として特徴づけられ、痙縮とは発生機序や性質が異なります。 正しくは:痙縮は上位運動ニューロン障害でみられる。パーキンソン病では固縮(鉛管現象、歯車現象)がみられる。
国試ポイント
パーキンソン病の中核症状(振戦、固縮、無動・寡動、姿勢反射障害)と、それによって引き起こされる具体的な症候(仮面様顔貌、小刻み歩行、突進現象など)を理解し、区別して覚えることが重要です。
混同注意
パーキンソン病の症候と、他の神経変性疾患や脳卒中による顔面麻痺、認知症の無表情などとの鑑別が重要です。特に顔面筋の不随意運動や麻痺との区別が必要です。
次に同じ論点が出たら
「パーキンソン病で最もよくみられる症候」という問われた場合、顔面筋の固縮と運動緩慢による仮面様顔貌、または小刻み歩行、安静時振戦などを想起して判断します。
覚え方
「パーキンソン病で最もよくみられる症候」という問われた場合、顔面筋の固縮と運動緩慢による仮面様顔貌、または小刻み歩行、安静時振戦などを想起して判断します。
対になる知識
パーキンソン病の症候と、他の神経変性疾患や脳卒中による顔面麻痺、認知症の無表情などとの鑑別が重要です。特に顔面筋の不随意運動や麻痺との区別が必要です。
関連知識
パーキンソン病の4大症状(振戦、固縮、無動・寡動、姿勢反射障害)に加え、非運動症状(嗅覚障害、便秘、REM睡眠行動障害など)も近年注目されています。治療薬としてはL-DOPA製剤が中心的です。