投球動作で肘関節後方への伸展ストレスが起こる時期として最も適切なのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:公益財団法人東洋療法研修試験財団ホームページ(過去の試験問題等)。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
投球動作におけるフォロースルー期は、ボールリリース後の減速局面であり、肩関節の内旋、肘関節の伸展が急速に行われる。この急激な伸展運動により、尺骨肘頭が上腕骨肘頭窩に衝突するストレスや、肘関節後方組織(後方関節包、肘頭、内側側副靭帯後部線維など)への牽引ストレス、伸張ストレスが増大し、後方への伸展ストレスが最も高まる。
選択肢ごとの解説
- 1. 早期コッキング期は、グラブからボールを抜き、腕を後方に引き始める時期であり、主なストレスは肩関節の最大外旋に伴う前下方不安定性や内側側副靭帯への牽引ストレスである。肘関節後方への伸展ストレスは大きくない。 正しくは:早期コッキング期は肩関節の前下方不安定性や内側側副靭帯への牽引ストレスが大きい。
- 2. 後期コッキング期は、肩関節が最大外旋位となり、肘関節は屈曲しつつ急速に外反ストレスを受ける時期である。内側側副靭帯への外反牽引ストレスが最も大きくなるが、肘関節後方への伸展ストレスは主ではない。 正しくは:後期コッキング期は肘関節内側への外反ストレスが最も大きい。
- 3. 加速期は、ボールリリースに向けて肩関節の内旋・水平内転、肘関節の伸展が急速に進む時期である。この時期にボールがリリースされるが、リリース直後に最大となる肘関節後方への伸展ストレスは、フォロースルー期に顕著となる。 正しくは:加速期はボールリリースに向けた加速運動が主であり、肘関節後方への伸展ストレスはリリース後のフォロースルー期に最大となる。
- 4. 正解。フォロースルー期は、ボールリリース後の減速局面であり、肩関節の内旋、肘関節の伸展が急速に行われる。この急激な伸展運動により、肘関節後方組織(肘頭、後方関節包など)への圧迫・牽引ストレス、伸展ストレスが最も増大する。
国試ポイント
投球動作の各相における関節ストレスの種類と発生時期を理解し、代表的な投球障害との関連を覚える。
混同注意
各期の具体的な運動と発生するストレスの種類(例:コッキング期は外反ストレス、フォロースルー期は伸展・圧迫・牽引ストレス)を混同しやすい。
次に同じ論点が出たら
投球動作の時期と各関節にかかる主要な負荷の種類(例:外反、内反、圧縮、牽引、伸展)を正確に結びつけて判断する。
覚え方
投球動作の時期と各関節にかかる主要な負荷の種類(例:外反、内反、圧縮、牽引、伸展)を正確に結びつけて判断する。
対になる知識
各期の具体的な運動と発生するストレスの種類(例:コッキング期は外反ストレス、フォロースルー期は伸展・圧迫・牽引ストレス)を混同しやすい。
関連知識
野球肘の病態(内側上顆炎、離断性骨軟骨炎、肘頭疲労骨折など)と投球動作の関連、肩関節の投球障害(インピンジメント症候群、腱板損傷など)の発生機序。