鍼施術後に生じる有害事象で、失神の原因として最も考えられるのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:公益財団法人東洋療法研修試験財団ホームページ(過去の試験問題等)。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
鍼施術後の失神で最も考えられる原因は、血管迷走神経反射による脳貧血です。鍼刺激や患者の不安、疼痛などにより迷走神経が過剰に興奮し、徐脈と血管拡張が引き起こされ、脳血流が一時的に低下することで失神します。
選択肢ごとの解説
- 1. 遺感覚は、鍼刺激後にしびれや違和感が残る感覚異常であり、失神の直接的な原因とはなりません。 正しくは:遺感覚は感覚異常であり、失神とは異なる症状である。
- 2. 気胸は、胸部に深く刺鍼された場合に肺が損傷し、胸腔内に空気が漏れることで呼吸困難や胸痛を引き起こす重篤な合併症ですが、失神の直接的な原因としては稀であり、一般的な失神の主要因ではありません。重度の気胸で呼吸循環動態が破綻した結果として意識消失に至ることはありえますが、本設問の「最も考えられる」には合致しません。 正しくは:気胸は呼吸器系の重篤な合併症であり、失神の直接原因としては稀である。
- 3. 低血糖は、血糖値が異常に低下した際に生じる症状で、めまいや発汗、意識障害を引き起こし失神の原因となり得ますが、鍼施術との直接的な因果関係は薄く、一般的な施術後に失神する最も主要な原因とは考えにくいです。 正しくは:低血糖は食事や基礎疾患に関連するもので、鍼施術と直接的な関係は稀である。
- 4. 正解。鍼施術後の失神の原因として最も多く見られるのは血管迷走神経反射による脳貧血です。これは鍼刺激、痛み、不安などが引き金となり、迷走神経が過剰に興奮することで徐脈と末梢血管拡張が起こり、一時的に脳への血流が減少するためです。
国試ポイント
鍼施術後の失神の原因として脳貧血が最も多いことと、その機序(血管迷走神経反射)を理解しておく必要があります。
混同注意
脳貧血は器質的な脳疾患による失神とは異なり、一時的な脳血流低下による機能的なものです。低血糖や起立性低血圧による失神も鑑別が必要ですが、鍼刺激後の状況では血管迷走神経反射が最頻原因です。
次に同じ論点が出たら
鍼施術後の失神を問う問題が出た場合、血管迷走神経反射による脳貧血が最頻原因であることをまず判断の軸とする。
覚え方
鍼施術後の失神を問う問題が出た場合、血管迷走神経反射による脳貧血が最頻原因であることをまず判断の軸とする。
対になる知識
脳貧血は器質的な脳疾患による失神とは異なり、一時的な脳血流低下による機能的なものです。低血糖や起立性低血圧による失神も鑑別が必要ですが、鍼刺激後の状況では血管迷走神経反射が最頻原因です。
関連知識
血管迷走神経反射による失神は、採血や注射など医療行為に伴う失神でも最も多い原因です。鍼施術前の問診で、過去の失神経験や気分不良の有無を確認することが重要です。失神時の対応として、患者を仰臥位にして下肢を挙上させる体位が有効です。