下腿前面への刺鍼による迷走神経反射で胃運動が亢進した。関与する九刺はどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:公益財団法人東洋療法研修試験財団ホームページ(過去の試験問題等)。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
遠道刺は、病がある経絡の遠隔部にある経穴に刺鍼することで治療効果を得る九刺の一つです。下腿前面への刺鍼は、胃の運動を支配する迷走神経の反射を介して胃運動を亢進させたと考えられ、局所と離れた部位への刺激が全身に影響を与える遠道刺の概念に合致します。
選択肢ごとの解説
- 1. 絡刺は、絡脈の血を瀉す刺鍼法で、症状が局部にとどまらず全身に波及する際に用いられる。今回の胃運動亢進は迷走神経反射によるものであり、絡刺の適応とは異なる。 正しくは:絡脈の病変、例えば青筋が浮き出ている部位の治療に用いる。
- 2. 巨刺は、病がある部位の反対側の同じ経穴に刺鍼する左右対応の刺鍼法である。本症例は下腿前面への刺鍼が胃運動亢進を引き起こしたものであり、左右の対応ではないため巨刺には該当しない。 正しくは:例えば左足の病変に対し右足の同じ経穴に刺鍼する場合に用いる。
- 3. 大瀉刺は、熱邪が盛んな時などに、多くの気血を瀉す目的で行われる刺鍼法である。本症例は迷走神経反射による胃運動亢進であり、瀉法としての目的とは異なる。 正しくは:熱性疾患で熱邪が盛んな場合に、熱を瀉す目的で用いる。
- 4. 正解。遠道刺は、病変のある部位とは離れた経穴に刺鍼することで治療効果を得る方法である。下腿前面への刺鍼が迷走神経反射を介して胃運動を亢進させた現象は、離れた部位への刺激が効果をもたらす遠道刺の概念と一致する。
国試ポイント
九刺の種類とそれぞれの適応、特に遠道刺が離れた部位への刺鍼であることを理解する。
混同注意
遠道刺と巨刺はどちらも離れた部位への刺鍼を含むが、巨刺は左右の対応に重点を置き、遠道刺は同経絡の遠隔部への刺鍼である点が異なる。
次に同じ論点が出たら
「遠隔部への刺鍼」というキーワードがあれば、遠道刺か巨刺をまず検討し、左右の対応や同経絡内の治療か否かで判断する。
覚え方
「遠隔部への刺鍼」というキーワードがあれば、遠道刺か巨刺をまず検討し、左右の対応や同経絡内の治療か否かで判断する。
対になる知識
遠道刺と巨刺はどちらも離れた部位への刺鍼を含むが、巨刺は左右の対応に重点を置き、遠道刺は同経絡の遠隔部への刺鍼である点が異なる。
関連知識
九刺には他に、輸刺(経穴への浅い刺鍼)、直鍼(経穴への深い刺鍼)、分刺(分肉への刺鍼)、毛刺(皮膚への浅い刺鍼)、半刺(皮下への刺鍼)、報刺(複数の経穴への刺鍼)などがある。