胸水貯留
臨床医学
はじめに
胸水貯留とは、胸腔内に液体が溜まることで肺の十分な拡張が妨げられ、様々な呼吸器症状や身体所見を引き起こす病態です。国家試験では呼吸音の減弱や声音振盪の減弱といった特徴的な所見との関連がよく問われます。
何を指すか
胸水貯留は、胸膜腔という肺の周囲のスペースに液体が過剰に貯留している状態を指します。これにより肺が圧迫されて十分に膨らむことができなくなり、呼吸機能に影響を及ぼします。
方法
胸部のおもな診察法として聴診や打診、触診が行われます。聴診では呼吸音の減弱を確認し、打診では濁音が聴取され、触診では発声時の振動が伝わる声音振盪が減弱または消失することが確かめられます。
判定と意義
胸腔内に液体が存在することにより、肺の虚脱や伝達障害が生じていると判断されます。気道分泌物によるラ音が聴取される疾患とは異なり、呼吸音そのものが弱くなっている点が評価の基準となります。
国家試験のポイント
国家試験では、無気肺や気胸とともに呼吸音の減弱や消失をきたす代表的な疾患として頻出します。また、肺炎で見られるような声音振盪の増強ではなく、胸水貯留では液体が貯まることで声音振盪が減弱・消失する点が対比して問われます。
間違えやすいところ
気管支炎や肺炎で見られるようなラ音や、肺実質硬変で起こる声音振盪の増強と混同しやすい点に注意が必要です。胸水貯留は空気や液体が胸腔内に存在することで呼吸音や振動が伝わりにくくなる病態であり、肺実質が変化する疾患とは区別して覚える必要があります。