失行

病理学

はじめに

失行とは、四肢の運動麻痺や感覚障害、運動失調がないにもかかわらず、意図した目的のある動作や巧緻運動ができなくなる高次脳機能障害の一つです。主に優位半球の頭頂葉や前頭葉の病変によって引き起こされます。

何を指すか

四肢の筋力低下や感覚障害などの末梢的な問題が見られないにもかかわらず、目的にかなった一連の随意運動が遂行できなくなる病態を指します。高次脳機能障害の主要な症状の一つとして位置づけられています。

病態と機序

主に左半球などの優位半球における頭頂葉や前頭葉の障害によって引き起こされます。これにより、意図した行為のプランニングや実行に関する高次な脳の働きが損なわれます。

分類と所見

失行にはいくつかの種類があり、それぞれ異なる臨床的特徴を示します。構成失行は全体像の把握や部分の統合が障害され積み木や図形模写ができなくなり、着衣失行は衣服の上下や表裏がわからず正しく着られない状態です。観念運動失行は口頭での指示や模倣ができない一方で無意識下では動作が可能であり、観念失行は道具の使い方がわからず一連の動作の順序が障害されます。

国家試験のポイント

国家試験では、各種失行の定義と臨床的特徴の組み合わせや区別が頻出事項として問われます。それぞれの失行における具体的な症状や、自動運動ができるかどうかの違いを正確に理解しておくことが重要です。

間違えやすいところ

運動麻痺や感覚障害といった身体的な麻痺がない点が特徴であるため、単なる筋力低下や感覚の鈍さと混同しないよう注意が必要です。また、観念運動失行では自動的かつ無意識下での動作が保たれるのに対し、観念失行では自動運動も不可能になる点など、類似した病態同士の細かい差異を正しく区別する必要があります。

失行が問われる国家試験問題(3問)

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