「70歳の男性。約20年前に2型糖尿病と診断され薬物治療を受けている。最近急に複視が出現した。正中視で右眼は外転位をとっている。対光反射は異常なく眼瞼下垂もない。」 神経症状発現の病態生理として正しいのはどれか。
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出典:公益財団法人東洋療法研修試験財団ホームページ(過去の試験問題等)。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
神経細胞は虚血に非常に弱く、血流が途絶えることで酸素や栄養供給が停止し、ATP産生が滞り、神経細胞の機能障害や壊死が急速に進行するため、神経症状発現の主要な病態生理となります。
選択肢ごとの解説
- 1. 浮腫は神経細胞の機能障害を引き起こすが、通常は虚血の結果として生じたり、二次的な病態であることが多い。浮腫単独で神経症状が発現するより、虚血が根本原因となることが医学的に多い。 正しくは:神経症状の直接の原因は虚血であり、浮腫は虚血によって生じる二次的な病態、あるいは虚血を増悪させる因子となる。
- 2. 正解。神経細胞は酸素やブドウ糖の供給が絶たれる虚血に対して非常に脆弱であり、速やかに機能障害や壊死に陥る。これにより、感覚麻痺、運動麻痺、意識障害などの神経症状が発現する。
- 3. 炎症は神経細胞の機能に影響を与え、神経症状を引き起こすことはあるが、急性の重篤な神経症状発現の主要な病態生理としては虚血の方が直接的かつ壊滅的である。炎症性疾患による神経障害は慢性的な経過をとることが多い。 正しくは:炎症は神経症状の一因となるが、神経細胞の急激な機能喪失という点では虚血がより直接的である。
- 4. 圧迫は神経の伝導を阻害し、神経症状を引き起こすが、圧迫自体が直接的な病態生理というよりは、圧迫により虚血や軸索の物理的損傷が生じる結果として神経症状が出現することが多い。例えば、腫瘍による圧迫では、その部分の血流障害(虚血)も同時に生じていることが多い。 正しくは:圧迫は神経伝導を阻害し、神経症状を引き起こすが、多くの場合、圧迫による虚血や物理的損傷が主要なメカニズムとなる。
国試ポイント
神経組織の脆弱性と、虚血が神経機能に与える影響を理解すること。特に脳や脊髄は血流依存性が高く、虚血は不可逆的な損傷を引き起こしやすい。
混同注意
虚血と他の病態(浮腫、炎症、圧迫)は共存したり相互に影響したりするが、神経症状発現の直接的な主要原因としては虚血が優先される場合が多い。
次に同じ論点が出たら
神経症状の原因を問われた場合、急性期で不可逆的な障害のリスクが高い場合は特に虚血を第一に考える。虚血は神経細胞のエネルギー供給を直接断つため、最も根本的な障害となりやすい。
覚え方
神経症状の原因を問われた場合、急性期で不可逆的な障害のリスクが高い場合は特に虚血を第一に考える。虚血は神経細胞のエネルギー供給を直接断つため、最も根本的な障害となりやすい。
対になる知識
虚血と他の病態(浮腫、炎症、圧迫)は共存したり相互に影響したりするが、神経症状発現の直接的な主要原因としては虚血が優先される場合が多い。
関連知識
虚血性脳卒中、一過性脳虚血発作(TIA)、脊髄虚血。これらはすべて虚血が原因で神経症状を呈する疾患であり、虚血による神経細胞障害の理解が重要です。再灌流障害の概念も関連します。