次の文で示す症例の治療対象となる筋で最も適切なのはどれか。「40歳の女性。運動不足解消のためテニスを始めたところ、バックハンドストロークの際に肘の痛みを自覚するようになった。」
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:公益財団法人東洋療法研修試験財団ホームページ(過去の試験問題等)。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
短橈側手根伸筋は上腕骨外側上顆に付着し、手関節の背屈と橈側外転に作用します。テニス肘(上腕骨外側上顆炎)は、この筋肉の起始部における繰り返しの負荷により炎症が生じる疾患であり、バックハンドストロークは特にこの筋に負担をかける動作であるため、治療対象となります。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。短橈側手根伸筋は上腕骨外側上顆に起始を持つ筋肉で、手関節の背屈と橈屈に関与します。テニス肘(上腕骨外側上顆炎)の主な原因筋とされており、バックハンドストロークの繰り返し動作でこの筋肉の起始部に過負荷がかかり炎症を引き起こしやすいため、治療対象として最も適切です。
- 2. 尺側手根屈筋は上腕骨内側上顆に起始を持つ筋肉で、手関節の尺屈と掌屈に関与します。この筋肉は上腕骨外側上顆炎(テニス肘)の直接的な原因筋ではありません。むしろゴルフ肘(上腕骨内側上顆炎)に関連が深いです。 正しくは:上腕骨内側上顆炎の治療対象筋となり得る。
- 3. 腕橈骨筋は上腕骨外側縁下部から橈骨茎状突起に付着し、肘関節の屈曲に作用します。手関節の動きには直接関与しますが、上腕骨外側上顆炎の主要な原因筋ではありません。テニスで痛みが生じる可能性はありますが、最も適切とは言えません。 正しくは:肘関節屈曲動作に関連する痛みの場合に治療対象となり得る。
- 4. 円回内筋は上腕骨内側上顆と尺骨鉤状突起から橈骨に付着し、前腕の回内と肘関節の屈曲に作用します。この筋肉は上腕骨外側上顆炎(テニス肘)の直接的な原因筋ではなく、むしろゴルフ肘(上腕骨内側上顆炎)に関連が深い筋肉です。 正しくは:上腕骨内側上顆炎の治療対象筋となり得る。
国試ポイント
テニス肘の病態と、それに関与する主要な筋(上腕骨外側上顆炎の主要原因筋)を理解すること。バックハンドストロークと関連付けて覚える。
混同注意
上腕骨内側上顆炎(ゴルフ肘)との区別。テニス肘は外側上顆、ゴルフ肘は内側上顆の痛みであり、関与する筋群が異なります。
次に同じ論点が出たら
肘の痛みで運動時の誘発動作(テニス・バックハンドなど)が提示された場合、上腕骨のどの部位(外側か内側か)に負担がかかっているかを判断し、そこから関連する筋を導き出す。
覚え方
肘の痛みで運動時の誘発動作(テニス・バックハンドなど)が提示された場合、上腕骨のどの部位(外側か内側か)に負担がかかっているかを判断し、そこから関連する筋を導き出す。
対になる知識
上腕骨内側上顆炎(ゴルフ肘)との区別。テニス肘は外側上顆、ゴルフ肘は内側上顆の痛みであり、関与する筋群が異なります。
関連知識
テニス肘の正式名称は上腕骨外側上顆炎。ゴルフ肘は上腕骨内側上顆炎。テニス肘では短橈側手根伸筋が最も関与し、長橈側手根伸筋や総指伸筋も関与することがある。ゴルフ肘では円回内筋や撓側手根屈筋などが関与する。