病気の解説
尿道狭窄症
緊急性の高い症状
- 尿がまったく出ない(尿意はあるのに出せない)
- 下腹部が張って強く痛む
このようなときは、夜間や休日でもすぐに医療機関(救急外来・泌尿器科)を受診してください。急に尿が出せなくなる「急性尿閉」は命に関わることがあるとされ、尿道狭窄はその原因の一つです(NIDDK)。
出典:米国立糖尿病・消化器・腎疾患研究所(NIDDK)「Urinary Retention」
当てはまるときは、ためらわず 119 または救急外来へ。
受診の目安
- 尿の勢いが弱くなった、尿が2本に分かれる・飛び散る
- 出し終わるまで時間がかかる、いきまないと出ない、出し切った感じがしない
- トイレが近い、急に我慢できなくなる、排尿時に痛む
- 尿に血が混じる、尿道から分泌物が出る
- 膀胱炎などの尿路感染症をくり返す(とくに男性)
相談先は泌尿器科です(MSDマニュアル家庭版)(MedStar Health)。前立腺肥大症や膀胱の病気など、似た症状を起こす病気はほかにもあり、症状だけで病名を決めることはできません。
基本
尿道狭窄症とは
尿道狭窄症は、膀胱から体の外へ尿を運ぶ管(尿道)が、傷あと(瘢痕)によって細くなる病気です(MSDマニュアル家庭版)。尿道のどの部分にも起こり得ます。主に男性にみられ、女性ではまれです(MedStar Health)。狭くなる程度によって、尿の出にくさは軽いものから、尿がまったく出なくなるものまでさまざまです(MSDマニュアル家庭版)。
主な症状
- 尿の勢いが弱い、尿が2本に分かれる(MSDマニュアル家庭版)
- 尿がちょろちょろと出る、いきまないと出ない、残っている感じがする(MedStar Health)
- 頻尿、急な尿意、排尿時の痛み、尿もれ、血尿、下腹部の痛み(MedStar Health)
- 狭さが強くなると、尿が完全に止まることがあります(MSDマニュアル家庭版)。
症状がほとんどない人もいます(MedStar Health)。
原因・なりやすい要因
尿道が炎症を起こしたり傷ついたりして、治る過程で瘢痕ができると狭くなります(MedStar Health)。
- けが:骨盤の骨折や、自転車のフレームなどに股間を強く打つけが。MSDマニュアル家庭版では、過去のけがが最も多い原因とされています(MSDマニュアル家庭版)(MedStar Health)。
- 医療処置:尿道に器具やカテーテルを入れる処置、放射線治療、骨盤の手術のあと(MedStar Health)(NIDDK)
- 感染症:淋菌やクラミジアなどの性感染症(MedStar Health)。ただし、現在では原因になることはまれとされます(MSDマニュアル家庭版)。
- 生まれつきのもの、原因がわからないものもあります(MSDマニュアル家庭版)。
検査と診断
診断
泌尿器科で、尿道に造影剤を入れてレントゲンを撮る検査(逆行性尿道造影)や、細い内視鏡で尿道の中を直接見る検査(膀胱鏡検査)が行われます(MSDマニュアル家庭版)。
治療
治療
狭い部分の長さ・場所・瘢痕の程度によって治療法が選ばれます(MedStar Health)。
- 尿道拡張:器具や風船で狭い部分を押し広げます(MSDマニュアル家庭版)(MedStar Health)。
- 内尿道切開:内視鏡を通して、小さな刃やレーザーで狭い部分を切り開きます(MSDマニュアル家庭版)。
- 尿道形成術:瘢痕の部分を切り取って尿道をつなぎ直したり、ほおの内側の粘膜などを使って尿道を作り直したりする手術です。長い狭窄や重い狭窄、再発をくり返す場合に選ばれ、治る可能性が高い方法とされています(MedStar Health)(MSDマニュアル家庭版)。
拡張や切開は、時間がたつと再び狭くなることが多く、くり返すと瘢痕が増えて狭い部分が長くなるおそれがあるとされています(MedStar Health)。急に尿が出なくなったときは、まず膀胱にたまった尿を外に出す処置が行われます(NIDDK)。
日常生活の注意・セルフケア
治療後の通院や自己管理は、主治医の指示を最優先にしてください。
- 治療後も尿の勢いが再び弱くなってきたら、早めに泌尿器科に伝えます。治療後に瘢痕ができて再発することがあるためです(MSDマニュアル家庭版)。
- 発熱や排尿時の痛みなど、尿路感染症を思わせる症状があれば受診します(MSDマニュアル家庭版)。
経過と生活
経過
放置すると、尿を出し切れない状態(尿閉)、尿路感染症、精巣上体・精巣の感染などを起こすことがあります(MedStar Health)(MSDマニュアル家庭版)。狭さが強いと、狭い部分の手前の尿道が袋状にふくらむこともあります(MSDマニュアル家庭版)。
泌尿器科で扱うほかの病気
出典
MSDマニュアル家庭版「尿道狭窄」 / MedStar Health「Urethral Stricture Disease」 / NIDDK「Symptoms & Causes of Urinary Retention」
内容の確認日:2026-10-13(次回確認予定 2027-04-13)。複数の公的情報源の事実をもとに medimichi が独自にまとめています。
この記事は一般的な医療情報の解説で、診断・治療を目的としたものではありません。気になる症状があるときは、自己判断せず医療機関を受診してください。緊急時は 119 / 医療機関へ。