病気の解説
ニューロパチー
別名:ニューロパシー、家族性アミロイドポリニューロパチー、家族性アミロイド多発ニューロパチー
緊急性の高い症状
ニューロパチーの中には、数日から数週間で急に進むタイプがあり、呼吸に使う筋肉が侵されると呼吸ができなくなる(呼吸不全)ことがあります(MSDマニュアル家庭版「多発神経障害」)。
- 足から始まった力の入りにくさやしびれが、急に腕のほうまで広がってきた
- 息が苦しい、呼吸がしにくい
このようなときは、ためらわず救急車(119番)を呼ぶか、救急外来を受診してください。
出典:MSDマニュアル家庭版「多発神経障害」
当てはまるときは、ためらわず 119 または救急外来へ。
受診の目安
- 手足のしびれ、チクチク・ジンジンする感じ、焼けるような痛み、感覚の鈍さ、力の入りにくさが続くときは、脳神経内科などを受診してください。
- 糖尿病のある方で、足のしびれや痛みが出てきたときは、糖尿病の主治医にも伝えてください。手足の多発神経障害が糖尿病の最初のサインのこともあります(MSDマニュアル家庭版「多発神経障害」)。
- 痛みや熱さを感じにくくなると、やけどやけが、皮膚の潰瘍に気づきにくくなります(MSDマニュアル家庭版「多発神経障害」)。足の傷やただれに気づいたら早めに受診してください。
しびれや痛みは脳や脊髄の病気など、ほかの原因でも起こり、症状だけで病名は判断できません。自己判断せず、医師の診察を受けてください。
基本
ニューロパチーとは
末梢神経とは、脳と脊髄の外にある神経のことで、体じゅうに伸びています(MSDマニュアル家庭版「末梢神経系の概要」)。末梢神経には、筋肉を動かす「運動神経」、痛み・温度などを伝える「感覚神経」、血圧や消化などを自動的に調節する「自律神経」があります(MedlinePlus)。これらの神経が傷ついた状態をまとめてニューロパチー(末梢神経障害)と呼び、100種類以上があるとされます(MedlinePlus)。
傷つく神経の範囲によって、1本の神経だけの「単神経障害」、離れた場所の2本以上の神経が侵される「多発性単神経障害」、全身の多くの神経が左右同じように侵される「多発神経障害」に分けられます(MSDマニュアル家庭版「末梢神経系の概要」)。
主な症状
どの神経が傷つくかによって症状が変わります(MedlinePlus)(MSDマニュアル家庭版「末梢神経系の概要」)。
- 感覚神経:チクチク・ジンジンする感じ、しびれ、焼けるような痛み、熱さ・冷たさや痛みを感じにくくなる。慢性のものは多くが足先から始まり、手にも出ることがあります。糖尿病によるものでは、痛みが夜に強くなりやすいとされます(MSDマニュアル家庭版「多発神経障害」)。
- 運動神経:力が入りにくい、筋肉がつる・ぴくつく、筋肉がやせる、ふらついて歩きにくい(MedlinePlus)(MSDマニュアル家庭版「多発神経障害」)。
- 自律神経:立ち上がったときのふらつき(立ちくらみ)、便秘など消化の不調、汗のかき方の異常、排尿や性機能の問題(MSDマニュアル家庭版「多発神経障害」)(MedlinePlus)。
症状は軽いものから重いものまであり、数日で急に出ることも、数か月〜数年かけてゆっくり進むこともあります(MedlinePlus)。
原因
- 最も多い原因は糖尿病です(MSDマニュアル家庭版「多発神経障害」)(MedlinePlus)。
- そのほか、過度の飲酒、感染症(C型肝炎、HIV感染症、帯状疱疹など)、自己免疫の病気(ギラン・バレー症候群、慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー〈CIDP〉など)、ビタミンB12不足、甲状腺機能低下症、腎不全、一部の薬(抗がん剤など)、鉛・水銀などの重金属が原因になることがあります(MSDマニュアル家庭版「多発神経障害」)。
- 生まれつきの体質(遺伝性ニューロパチー)や、手首などで神経が圧迫されること(手根管症候群など)が原因のこともあります(MSDマニュアル家庭版「末梢神経系の概要」)。
- 調べても原因がわからない場合もあります(MedlinePlus)。
検査と診断
検査・診断
- いつ・どこから症状が始まり、どう進んだか、飲酒や薬、家族の病気などを詳しく聞き、感覚・筋力・反射を調べます(MSDマニュアル家庭版「末梢神経系の概要」)。
- 神経伝導検査や筋電図検査で、神経が傷ついているか、どのくらいか、どの種類の神経かを調べます(MSDマニュアル家庭版「多発神経障害」)。
- 血液検査や尿検査で、糖尿病・腎不全・甲状腺機能低下症など原因となる病気を探します(MSDマニュアル家庭版「多発神経障害」)。
- 必要に応じて、画像検査、神経や筋肉の一部をとって調べる生検、遺伝子検査が行われます(MSDマニュアル家庭版「末梢神経系の概要」)。
治療
治療
- 原因の治療:できる限り原因となっている病気を治療します(MSDマニュアル家庭版「末梢神経系の概要」)。糖尿病では血糖を整えることで進行を遅らせられることがあり、原因となる薬や物質を避けると回復することもあります(MSDマニュアル家庭版「多発神経障害」)。自己免疫が原因の場合は、免疫の働きを調整する治療が行われます(同)。
- リハビリ:理学療法や作業療法で、筋肉のこわばりを防ぎ、補助具の使い方を身につけます(MSDマニュアル家庭版「多発神経障害」)。装具が使われることもあります(MedlinePlus)。
- 痛みの治療:神経の痛みに効く飲み薬や塗り薬・貼り薬などが使われることがあります(MSDマニュアル家庭版「多発神経障害」)(MedlinePlus)。
どの治療を行うかは、原因と症状に応じて医師が判断します。
経過と生活
経過
回復の見通しは原因によって異なります。原因を取り除いたり治療したりできる場合は回復が期待できることがあり、原因を治せない場合は痛みや筋力低下をやわらげる治療が中心になります(MSDマニュアル家庭版「多発神経障害」)。原因を治療することで神経が回復する場合もあるとされています(MedlinePlus)。
脳神経内科で扱うほかの病気
国家試験での出題
医療系の国家試験で、この病気に関係して出題された過去問です(学生・受験生向け)。
出典
MSDマニュアル家庭版「末梢神経系の概要」 / MSDマニュアル家庭版「多発神経障害」 / MedlinePlus「Peripheral Nerve Disorders」
内容の確認日:2026-10-16(次回確認予定 2027-04-16)。複数の公的情報源の事実をもとに medimichi が独自にまとめています。
この記事は一般的な医療情報の解説で、診断・治療を目的としたものではありません。気になる症状があるときは、自己判断せず医療機関を受診してください。緊急時は 119 / 医療機関へ。