病気の解説

悪性中皮腫

別名:中皮腫

まず相談する診療科呼吸器内科がん治療科(腫瘍内科・外科)
この解説の項目7項目

受診の目安

  • 息切れや胸の圧迫感、胸の痛み、せきが続くとき
  • 原因のわからない発熱や体重減少があるとき
  • おなかの張りや痛み、しこりが続くとき
  • 過去に石綿(アスベスト)を扱う仕事をしていた、または石綿にさらされる環境にいたことがあり、上のような症状が出てきたとき

胸の症状は呼吸器内科、おなかの症状は消化器内科などに相談してください。受診の際は、石綿にかかわった可能性のある仕事や住まいの経歴を伝えると役立ちます。これらの症状は中皮腫に特有のものではなく、肺がんなどほかの病気でも起こるため、症状だけで病名を決めることはできません(国立がん研究センター希少がんセンター)(MedlinePlus)。

基本

悪性中皮腫とは

中皮腫(悪性中皮腫)は、胸の内側や肺の表面をおおう膜(胸膜)、おなかの内側をおおう膜(腹膜)などをつくる「中皮細胞」から発生するがんです(がん情報サービス)。発生する場所によって、胸膜中皮腫、腹膜中皮腫、心膜中皮腫、精巣鞘膜中皮腫に分けられ、胸膜に起こるものが多いとされます(がん情報サービス)(MedlinePlus)。まれながんですが、石綿(アスベスト)との関係が知られており、治療が難しい病気の一つとされています(国立がん研究センター希少がんセンター)。

主な症状

  • 胸膜中皮腫:胸の痛み、せき、胸に水(胸水)がたまることによる息苦しさや胸の圧迫感(国立がん研究センター希少がんセンター)
  • 腹膜中皮腫:おなかの痛みや張り、しこり、便秘など(MedlinePlus)
  • 全身の症状:原因のわからない発熱、体重減少、だるさ(国立がん研究センター希少がんセンター)(MedlinePlus)

特徴的な症状がないため早く見つけることが難しく、進んだ段階で見つかることが多いとされます(国立がん研究センター希少がんセンター)(MedlinePlus)。

原因・なりやすい要因

中皮腫になった人の多くは、石綿の粒子を吸い込んだり飲み込んだりする仕事や生活環境にいたことがあるとされています(MedlinePlus)。石綿にさらされてから発病するまでには、長い年月がかかるのがふつうです(MedlinePlus)。

検査と診断

診断

胸部レントゲンやCTで、胸膜の厚みやしこり、胸水が見つかることがあります。肺がんなどとの区別が難しいことが多く、胸水にがん細胞がないかを調べたり、局所麻酔や全身麻酔で組織の一部を取って調べる検査(生検)が必要になったりします(国立がん研究センター希少がんセンター)(MedlinePlus)。

治療

治療

病気の広がりや全身の状態、本人の希望をもとに治療法を選びます(国立がん研究センター希少がんセンター)。

  • 手術:病変が胸膜にとどまっていて取りきれると判断された場合に検討されます。手術だけで治すことは難しく、体力がある人では薬物療法や放射線治療を組み合わせることがあります(国立がん研究センター希少がんセンター)。
  • 薬物療法:多くの人で治療の中心になります。抗がん薬のほか、免疫チェックポイント阻害薬も使われています(国立がん研究センター希少がんセンター)(MedlinePlus)。
  • 放射線治療:主に痛みを和らげる目的や、骨・脳などへの転移に対して使われます(国立がん研究センター希少がんセンター)。
  • 症状を和らげる治療:胸水が多く息苦しいときは、管を入れて胸水を抜き、再びたまるのを防ぐ処置を行うことがあります(国立がん研究センター希少がんセンター)。

日常生活の注意・利用できる制度

治療や療養は、主治医の指示を最優先にしてください。

  • 中皮腫は、国の「石綿健康被害救済制度」の対象となる病気です。仕事で石綿にさらされた人には、これとは別に労災保険による補償の制度があります。相談や申請は、環境再生保全機構の窓口などで受け付けています(環境再生保全機構)。
  • まれながんのため、診断や治療方針に迷うときは、がん診療連携拠点病院の相談支援センターなどに相談できます。

呼吸器内科で扱うほかの病気

国家試験での出題

医療系の国家試験で、この病気に関係して出題された過去問です(学生・受験生向け)。

出典

国立がん研究センター がん情報サービス「中皮腫(悪性中皮腫)」 / 国立がん研究センター希少がんセンター「悪性胸膜中皮腫」 / MedlinePlus「Mesothelioma」 / 環境再生保全機構「石綿健康被害救済制度」
内容の確認日:2026-10-13(次回確認予定 2027-04-13)。複数の公的情報源の事実をもとに medimichi が独自にまとめています。

この記事は一般的な医療情報の解説で、診断・治療を目的としたものではありません。気になる症状があるときは、自己判断せず医療機関を受診してください。緊急時は 119 / 医療機関へ。